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2004年2月 8日 (日)

二極化 〜南の国の穏やかな独裁制〜

以下、聞きかじりの話であるが、二極化というのがすすむとどうなるかという話をしたい。

今回、タイに来て複数の人間からタイの首相の話を聞いた。もともと金満家でいまでは政治的なパワーを背景に、通信関係を中心とする上場企業の株式をかなりを支配しているという。その支配の及ぶ会社は全体で、タイのGDPの10%に相当するという。メディア関連の会社がほとんど首相の手中にあるので、ゆるやかな言論統制を引いていて、面と向かって首相の批判ができないのだとともいう。国王が、謙虚さが大事だという間接的な忠告をしたというが、いまのところあまり効果がないと言われている。

この背景にあるのが、タイの貧富の差の激しさであるらしい。一般にタイの国民の所得水準は決して高くない。大卒で2万バーツ、日本円の6万円程度、工場の従業員だと日給で700円とか800円というレベルだ。一方、資産家たちは平気で数億もする住宅に住み、事業を次から次へと展開するだけの資本をものにしている。タイである程度以上の商売を始められるのは、ごく限られた数の家族のメンバーだけだという。

一方、メディアを押さえた首相は、一般の国民に耳当たりのいい「風俗取り締まり」だの、「麻薬取り締まり」だのの政策をうちだしているため、支持率も決して悪くないと言う。

これらはいずれも検証を必要とする事柄ではあるが、もし事実だとすれば、先回からこだわっている二極化が進んだ世界を表しているように思われる。

・社会的な流動性のなさ:華僑資本が背景にあるため、基本的に血族しか信頼されない。従って、資産をもたない層は、決して資本家になることができない。

・貧富の激しさ:資産格差が数十倍。相続税がないので、社会の再分配がすすまない。

・行政の腐敗:警察を買収するはなしとかごろごろしている。タイのソープランド王が、取り締まりを回避するために払った賄賂のリストを最近公開して話題になっているそうな...

・社会的上昇への意欲減退:みな目の前の、食べることで必死で、資本を貯蓄しようとしない。バイク運送屋なら運送屋であきらめてしまう社会的な階層がある。

・税の不公平感:金持ち優遇の政策をとりつづけている。当然税金は金持ち有利。所得の補足がむずかしいからしかたないのかもしれないが、消費税はすでに7%。ホテルにとまると17%オンされる!

うーん、でも年率5%以上の経済成長を遂げている事実があるし、国情の安定を背景にアジアの中では繁栄している国のほうだろう。1990年代後半の通貨危機のときのIMFからの借り入れももう完済してしまった。(日本の政治家はまだバブル後遺症を克服できない。)それに、結構必死で努力している人からは、すごいエネルギーをタイで感じてきたから、二極化がすすんでいるからといってみんなが不幸と言うことではないのかもしれないねぇ。この辺、まだまだ考察が必要。


■参照リンク
二極化
二極化 〜白いコートと黒いコート〜

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コメント

二極化ですか、なるほど・・。

ぼくのタイのイメージはちょっと前にfinalventさんとこの日記でも話題になったような「ブラックマーケットがGDPのけっこうな部分を占める国」という印象です。
でも、仏教とか国王とかへの信奉は厚い。このあたりのバランスについて、「矛盾感じないのかなこの人たちは?」、という感じがしてます。

・・イデオロギーなのかな?

タイ人の友人が一人いるのですが、女性なのでこの辺りのことはなかなか聞きにくいし・・。
ちなにみ彼女は、「タイは水がきれいじゃないので浄水施設をなんとかしたい」、と言ってました。


んで、今回のクーデーターですが、二極化に対してタイの人々が不満を持っているのならこれに乗じて文化大革命みたいなのが起こっても不思議ではないのにそうはならないみたいですね。なんか、予定調和って感じ。タクシン一族の不正がクローズアップされてたからかなぁ。。

どっちにしても国王のご意向がポイントみたいですが
(そういやタイの友人もデスクに国王の写真飾ってました)

投稿: m_um_u | 2006年9月20日 (水) 22時10分

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