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2004年3月14日 (日)

[書評]ゴルフと人生 「バガーヴァンスの伝説」映画版

ひさしぶりに、のんびりした休日をすごした。ひさしぶりに、そして、前からのんびりとみたいと思っていた「バガーヴァンスの伝説」をDVDで見た。おもしろかった。外道といわれてしまいそうだが、全編に禅の息吹を感じてしまった。夜の月が水溜りに写る絵、雲が流れていく風景、ヘーゲンというゴルフプレーヤーが海辺でショットするシーン、ひとつひとつに禅を感じてしまう。ウィル・スミス演じるバガーヴァンス当人の台詞はまるで禅問答だと、誰でも感じるだろう。いわく、「あなたは自分のスィングを見つけなければならない。」、いわく「答えはフィールド(ゴルフコース)の中にある。」などなど。しかし、この映画についていろいろ調べたのだが全然禅は出てこない。人生の達人がつきつめていくと、いろいろなものがどこかで形はいっしょになるということなのだろうか?

これは、ロバート・レッドフォードの監督作品の三番目だと思う。DVDでの監督のインタビューで"story telling"(物語)とか"myth"(神話)とか自然とかの話題は出てきても、仏教の「ぶ」の字も出てこなかった。しきりに、現代では失われてしまった神話や物語の力を語っていた。それらが人生の答えを与えてくれたことを、少し前までどこにでもあった「人情」のような情緒とともに、話していた。

それでは、原作かなと思い調べたみた。そもそも、原作者のスティーヴン・プレスフィールドという人は、映画の脚本を書いたり、ギリシアの歴史に題材をとる小説をかいていたりする人らしい。原著は"he Legend of Bagger Vance: Golf and the Game of Life"というのだそうだ。実は、この原著の原題を見つける前に、この記事のタイトルを「ゴルフと人生」に決めていた。私のようなぼんくらでもそう感じるくらい、この映画の中には、ゴルフを通した人の生き方がある。いや、人の生き方とゴルフがつかずはなれずに描かれている。翻訳版の原作をこれから読む。読んでみてよければ、英語版にも挑戦するつもりだ。

若干、なんらかの痕跡があるは、この原作の最初にバガバットギータの言葉が引用されているらしいことくらいだ。それに触発されてから、"Gita on the Green : The Mystical Tradition Behind Bagger Vance"という本も出版されていて、この映画、原作とインド哲学との関連が分析されている、らしい。

この映画のホームページも良かった。(http://www.cannery.com/thelegendofbaggervance/)映画の台詞がフューチャーされたフラッシュがよい。著作権に触れてしまうのだろうか?一部だけ...

"Inside each and everyone of us is our own true authentic swing." :私達ひとりひとりは、正真正銘本物のスウィングを持っている。

"When we question the path we've taken, the answer can be right in front of our eyes."
:もし、私達の来た道を問う時、その答えは私たちの目前にあるのかもしれない。

"Play your game, the one that was given to you, when you game into this world"
:あなたに与えられたゲーム(ゴルフ)をプレイしなさい、あなたはこの世界にあそびに来たのだから。

わらながら下手な訳だ。もし、翻訳が間違っているようなことがあれば、どなたかご指摘いただけるとものすごくうれしい。

そもそも、ゴルフをプレーするというのは、とても人生を生きていくのに近いと感じていた。私はゴルフはものすごく下手なのだが、あまり緊張していない雰囲気で道を歩き、人と話したりしていても、ショット(スウィング)の瞬間にはものすごい集中力を要求される「感じ」くらいはわかる。ゆるゆるやっているようでも、礼儀正しさとルールは厳しく要求される。この、ゆるさと集中の対比がとても人生そのものであるように思う。普通に生きていても、酒をのんだり、いい加減に生活していても、仕事のポイントをはずさなければ生きていけるし、どんなにまじめに生きているようでも、ツボのような部分をはずしていては、人生の行く末はあやうい。映画の中でも、球聖ボビー・ジョーンズが美しいゴルフのプレーの仕方を見せていた。ギャラリーと雑談していた一瞬後には、グリーンのピンをしっかり見つめ、理想のショットをとことん追求する。美しい姿だった。人生を、このように緩急自在にすごせたらよいと感じた。

ウィル・スミス演じるバガー・ヴァンスがいう「答えはコース(フィールド、field)の中にある。」という台詞がたまらない。人生も実はその通りだと思う。我々は、人生において、なにか考えたり、恐怖ももったりしすぎるのではないだろうか?ストレートに、ある意味なにも考えずに、人生に対面すべきなのではないだろうか?それこそが、自分の中の本当の、正真正銘のスィングを見つけるということだと感じた。

■参照リンク
「バガー・ヴァンスの伝説」小説版 (HPO)

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コメント

この映画を観ました。
私はかなり感動したのですが、やはり原作と違うわけですね。
「答えはコース(フィールド)にある」
素晴らしいレビューをお書きになっていらっしゃるのに、お恥ずかしいのですが、私のもTBさせて頂きます。
ジャック・レモンの遺作になった映画でしたが、もう少し登場して欲しかったかなとも思います。
これからも、よろしくお願いします。

投稿: Ray | 2005年1月26日 (水) 20時12分

Rayさん、はじめまして、

私もこの映画大好きです、相変わらずゴルフ下手もいいとこですけど(笑)。

先日、この映画の原作の下敷きとなった「バガヴァットギータ」を読んでしまいました。なんかヨガの奥義なのだそうです。

投稿: ひでき | 2005年1月27日 (木) 16時45分

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