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2004年5月 2日 (日)

ひともすなる年金といふもの

■前提

なんとなく最近年金の議論がかますびしい。以前、日本の人口のシュミレーションを自分でやってみた結果に基づき、厚生年金の問題にトライしてみた。いやあ、でるわ、でるわ、疑問の嵐。比較的まともであるはずの厚生年金でこれでは、国民年金はどうなっているんだろ、という感じがする。

日本の年金の問題とは、このままいくと年金が破綻してしまうので、いまの内から改革しなければならない。だけど、それをどう実現するかが世間一般の議論の対象。要は、右肩上がりで人口も所得も増えていくと仮定していたのが、昨今の人口減少に代表されるような年老いた日本にはあてはまらなくなってきているということだろう。

それで、どう政治家と官僚にごまかされずにこの議論の本質を見抜くけるのかが、私にとって問題。一応、私は、ファイナンシャルプランラー(AFP)だったり、以前人事屋だったり、いまも毎月給与については触ってるんだけど、年金のことっていまだにわからない。わからないでも、やれちゃうというのがこの制度を悪魔がつくったんじゃないかと私が感じるポイントのひとつ。

■年金収支関連データ

厚生労働省の年金の収支を一応、調べてみた。下記のホームページに公式見解めいた収支がそのものずばりがあった。

「厚生年金保険 収支状況の推移」 厚生労働省年金局 年金財政ホームページ

これでいくと平成13年で、保険料と給付費がほぼとんとん。まず、この給付費からどれくらい事務費がとられているのか「?」だね。でも、国庫負担が3800億円あまりだけど、いつのまにか140兆円あまりの「積立金」とある。これはも「?」だ。平成13年度末現在で140兆円あまり。ものすごい残高であることは確か。どうやって運用されているのだろうか?

<表1>平成13年度 厚生年金保険 収支状況 単位:十億円

収入 

掲示額

計算値

保険料

19,936

19,936

国庫負担

3,816

3,816

運用収入 

3,860

3,860

国年特会受入

1,556

1,556

合計

29,788

29,169

618

支出

保険

19,622

19,622

国年特会繰入

9,304

9,304

合計 

29,281

28,927

354

収支 

506

242

264

年度末積立

137,393

しかし、この表の数字をちゃんと計算(ボールドの数字)すると、収入は掲示してある29兆7,886億円に対して、29兆1,697億円ということで約6,000億円も違う。支出で、3,500億円、収支で2,600億円、なんか桁が大きすぎるので大した金額でないような感じもするが、本来いくつかの大企業の総売上に匹敵する金額だろう。

しかし、この年金財政ホームページを読めば読むほど数字がおかしい。年金受給者数が2000万人あまりで、老齢年金と基礎年金部分をあわせて172,795円だということは、これだけでも40兆円を超える給付金が必要になるように思えるのに、なんで半分の20兆円でおわってるんだろう?この受給権者の20,559千人実際の受給者の19,005千人の150万人あまりの差も気になる。

あまりにも「?」マークばっかり!

■年金収支のシュミレーション

更に、以前作った人口推移シュミレーションに年金収支を付け加えてみた。これは、私がまったく0から表計算ソフトの手遊びに作ったものなので、統計局等の数字と最大で10%くらい濃さがある。それでも、このままいったらとにかく収支が完全にいかれているのはわかる。

<表2>人口シュミレーションと厚生年金収支予想

(エクセル版ファイル(2M程度):人口推計と年金収支シュミレーション

(PDF版ファイル:人口推計と年金収支シュミレーション(概要のみ)

人口推計前提条件:

  • 2002年の統計局発表推計人口のデータを使用。
  • 特殊出生率は、現在の数値から年齢別の出生率を推測した。
  • 年齢別出生率は対象期間を通て不変と仮定した。
  • 死亡率は、統計局データをベースに独自に仮定、計算した。

厚生年金収支前提:(平成13年現在の厚生年金データとあわせるための仮定)

  • 労働人口の40%が厚生年金を払う。
  • 65才以上人の90%が受給する。
  • 一人当り53,000円/月負担と仮定。
  • 年金支出額を一人85,000円/月と仮定。
(データ元参照)

(単位:千人 、十億円)

年度

総人口

15-60

65-

年金収入

年金支出

収支

2002

126,652

80,554

21,153

20,493

19,419

1,074

2003

126,758

80,390

21,812

20,451

20,024

427

2004

126,845

79,964

22,500

20,343

20,656

-313

2005

126,891

79,362

23,132

20,190

21,235

-1,045

2006

126,887

78,693

23,668

20,020

21,728

-1,708

...

 

 

 

 

 

 

2020

120,615

68,157

31,078

17,339

28,530

-11,191

...

 

 

 

 

 

 

2040

99,747

52,235

29,516

13,289

27,096

-13,807

...

 

 

 

 

 

 

2050

87,988

44,373

28,956

11,289

26,582

-15,293

<グラフ1 人口シュミレーション>

<グラフ2 厚生年金収支シュミレーション>

ちなみに、現在厚生省と政治家の間で生データを出す、出さないでもめていると聞く。自分のシュミレーションがへぼでも、必要とするデータは厚生労働省でも変わらないと思われる。以下に、必要と思しきデータをリストアップしてみれば、

  • 年齢別男女別人口動態:国勢調査のデータが出ている。下記「統計局」データ参照。
  • 年齢別男女別死亡率:過去の人口動態から推測可能。下記「統計局」データ参照。ちなみに、全人口を対象に考えると、3歳以下65歳未満の死亡率は限りなく0に近いように推測される。。
  • 年齢別世帯別動態:国立社会保障・人口問題研究所発表データあり。「参考」リンク参照。
  • 年齢別世帯別所得:これはそのものはいまのところみつかない。似たものでは、概要データとしては「1人当たり社会保障給付費と1人当たり国民所得の推移 」 by 国立社会保障・人口問題研究所
  • 経済見通し:対象期間中のインフレーション率、所得の推移、必要所得の推移など。
  • 対象階層:被保険者(支払う人)、受給者の定義とそれを満たす年齢別人口構成。
  • 年齢別出生率:シュミレーションを作った時点では「類推」でいれてあったが、最近発見。e.g. 出生率グラフ at 平成15年度 年次経済財政報告

自分で遣ってみた感想としては、割とデータは公開されているので、上に示したシュミレーションよりも遥かに精度の硬い高い推計をもうちょっとエネルギーをかければ十分現状で可能だと思う。あとはもう本当に個別の世帯の現在の所得データを一件、一件、スーパーコンピュータでも使って推計していくということになるのだろうか。1億2千万あまりの人口の詳細データをそのままで処理する方法があるのだろうか?後述する保険庁のデータで人口推計のところを前提しか書いていないことを攻められているのだろうか?

結果からみれば、どうもこれからどんどん悪くなって2050年が山で年間15兆円くらい足りなくなる計算。しかも、このときの人口は88百万人あまりと、現在の70%くらいになってしまう。

■実は...

ここまで作業してから、同じ保険庁のHPで「財政再計算の考え方と財政見直し」というホームページをよく読み始めた。ここでは、「将来見通し」などの数字も公開されていた。これら数字だと、自分のシュミレーションとそんなに変わらない数字でスタートしたはずなのに、支出額の予想が大幅に違う。私のシュミレーションだと、支出のピークでも30兆円まだいかないはずなのに、この「厚生年金の財政見通し(国庫負担割合1/3) 改正制度」だと支出が28兆円から130兆円まで膨らむ事になっている。「国年特会繰入」という項目が現在でも支出の3分の1程度を占めているがそれを差し引いても、3倍も違うというのはどういうことなのだろうか?天下の官僚のやることなので、間違いはないとは思う。ただ、「年度末積立金」というのだけが黒字で推移して165兆円を超えるという予測を見ていると、お役人さんたちは将来の危機をあおることで、第二(第三くらい?)の郵便貯金を作ろうとしているのではないかという疑問がうかぶ。まさかね?

これ以外にもまだ国民年金の問題もある。なんにせよあまり明るい未来をこれらのデータから描くのは難しそう。それに、「参照リンク」にもあげたが(akillerさんありがとう!)、そもそも、似たような違うよな、同じなような同じでないような省庁が年金関係では多すぎる。どうなってんでしょうか?

蛇足だが、国立社会保障・人口問題研究所のホームページにはってある2050年までの人口推計ピラミッドはなかなかヴィヴィッドだ。ピラミッド形の人口が、たちまちくびれていくさまがアニメーションGIFかなにかでみれる。もっともっと、蛇足だがこの辺の人口データを見ていると、日本は高齢化とともに単身世帯あるいは「ひとり親」世帯が急速に比率を増やすらしい。これもまた別なところで語ろう。

■参考

■追記 平成16年5月10日

この記事を書いてから、どうも年金の問題って、年金の分配効率の問題でもある気がしてならない。まだ、実際の徴収、分配にかかるコスト、効率がどれくらいのものなのか、調べていないのだが、大変な人数がかかわって成立している制度であることは間違いないと思う。

マクロ経済学でよく「あなをほってうめても、景気拡大策は拡大策だ。」と経済の専門家と言われる人がいっているのを読んだ。しかし、やはり私の感覚だと政府支出の効率というのが、同じお金を使うのでも経済波及効果が違う、乗数が違うという気がしてならない。年金も同じではないだろうか?単に老後を支えるというのではなく、どのような支え方をすれば、全体の福利厚生につながるのかを問うべきではないだろうか?いずれにせよ、日本最大最高の資源である人、それも有能な人々がこれから音をたてて減っていくという時代に突入するのは、間違いないのだから。

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コメント

はじめまして

数字に弱い私にとって大変ありがたいbrogです(笑

こんな突っ込みがあると国会中継も見てられるのですが。

投稿: デイジー | 2004年5月 6日 (木) 19時46分

デイジーさん、はじめまして、こんばんわ、

いやあ、仮定ばっかりなので、どうもこのシュミレーションに自分でも納得いっていない部分があります。もっとちゃんと厚生年金制度の詳細まで勉強すべきなのでしょうけどね。でも、本文にも書いたとおり、私は、かなり年金にはかかわっているんですよ、ほんとに。でも、わかんないっす。

でもでも、ほんとになんか数字をちょっと単純に考えてみると、どうも厚生労働省発表の数字はなにかおかしい感じがしてきいます。

ああ、このブログの記事でなにかおかしいと思うところが合ったら、躊躇なく突っ込んでくださいね。

投稿: ひでき | 2004年5月 6日 (木) 19時59分

デイジーさんと同様、ありがたい!と感じました。(笑)
ところで、社会保障・人口問題研究所はあくまで私の記憶ですが、90年代まで人口減少についての推計を意図的に隠していたか、遅らせていたか、という疑念を持っております。
不真面目だったとは思いませんが、地方公共団体の総合計画における人口フレーム、各種公共投資計画(例えばダムにおける水需要)の人口フレームに及ぼした影響を考えると、結構な問題でないか、と思っております。もう済んだ話ですが。
そんなことや未納問題、さらには年金運用の後始末の悪さを考慮すれば、年金徴収額の値上げに同意できるはずがありません。

投稿: akiller | 2004年5月 6日 (木) 20時04分

akillerさん、

あいやー、クロスコメントですね。いま、「年金って。」にコメントを付けさせていただいたところです。なんか楽しいな、自分と同様の興味を持ってくれている人がいるのって。

ほんとに情報交換、お互い突っ込み、させてくださいね。

以前、ちょっと統計、推計、大変量解析とかをいじくっていたことがあって、統計ってやり方、グラフの書き方では、どうとでもなってしまうもんなんだなって、実感しています。

やっぱり、akillerさんみたいに自分で数字をいじってみたり、グラフを作ってみたりすると、相手が隠しておこうとしていることが見えてきたりしますよね。

そうそう、それに、今回は足し算引き算だけに終始したかったので、ふれていませんが、運用の問題はもっともっと奥が深そうな感じですね。

投稿: ひでき | 2004年5月 6日 (木) 20時11分

 はじめまして。
 年金にちょっと絡んだ関係で年金にはいろいろ
言いたいことがあります。

 で、率直にもうしますと、国会やマスコミは
試算に「合理的根拠」をもとめるのです。

 「合理的根拠」とはなんぞや?というわけです。

 たとえば、今後こうなるのではないか?とい
う推測的根拠はだめなのです。

 でどうなるかと言いますと、おおむね過去データの○年平均とせざるを得ないのです。
 私自身、それでいいんかいな?と思いました
が、でも「合理的根拠」は過去平均以外つけよう
がありません。
 収入面の未来予測もリスクケースその他いくつ
かのケースの平均となるわけです。
 そうでないと、重箱の隅つつきに対応できませ
ん。

 このあたり、政府を攻撃するものとしか考えて
いないマスコミや「テレビに出る」NGOの考え
方が古いのが残念です。
 未来予測に踏み出せないのです。 

 ただ、根本で言えば、個人の積立年金と異なり、世代間扶養である以上、少子化の現状では
給付削減しかないと思います。

投稿: ハーデス | 2004年5月13日 (木) 01時34分

ハーデスさん、はじめまして、こんばんわ、

さっそくですが、単純に支給がと負担額の比率で考えるべきだと、コメントを読ませていただいて感じました。

平成13年の厚生年金財政のデータを使います。

http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/data/data01/kousei/dat01_ks_idx.html">http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/data/data01/kousei/dat01_ks_idx.html

純粋に保険料の負担ということで考えるので、国庫からの収入、繰り入れを無視します。

一人当り支給額:保険給付額 ÷ 受給者数 ÷ 12ヶ月
→ 196,228億円÷19,005千人÷12ヶ月=86千円

一人当り負担額:保険料 ÷ 被保険者数 ÷ 12ヶ月
→ 199,366億円÷31,576千人÷12ヶ月=53千円

86千円÷53千円 = 受給者一人当りに1.6人の被保険者

そして、自分の人口動態シュミレーションだと、多分30年後までに労働者人口が3分の2くらいに減り、65歳以上人口が1.5倍くらいになるので、かなり乱暴にこの通りに、被保険者と受給者の数が変化するとすると。

(H13被保険者数 × 70%)÷(H13受給者 × 150%)
= (31,576千人 × 70%)÷(19,005千人 × 150%)
= 0.77人!!!

これは、1.6人に一人の負担が0.77人に一人、つまり保険料を払う人一人で1.5人もささえなければいけないのだとすれば、破綻しますね。国庫から3分の一でも、2分の一でもいれたとしても、全体の負担は変わらないわけですから、労働者人口一人あたりの年金負担は現在の倍になるということですね。

残りの頼みは、確かに保険料の積立金くらいなんでしょうか。はぁ、ためいきでちゃいます。

余談ですが、厚生年金保険料の収納率って97%もあるんですね。国会議員の収納率は何パーセントなんだろう?

投稿: ひでき | 2004年5月13日 (木) 22時48分

 おっしゃるように、私も今のままでは絶対破綻すると思います。

 いまのところ
・年金積立金取り崩し
・70歳からという給付時期の先送り
・消費税により年金受給者からも取る
この3点が打ち出されているようです。

 正直言えば、年金給付時期先送りは今の若手世代にはしんどいし、雇用機会があるのかという問題や威張っているだけの人に残ってもらっても困るし(笑、また退職金の増による企業負担という大問題もあります(しかも団塊世代が年金受給する前にやらないと意味がない)。

 そのための税法式ですが、私もそれも強く支持します。消費税で年金受給者から取ることにより、実質的に受給額を減らすと言う方式しかないのではないかと。年金給付額を2/3にするわけにはいかないでしょうから。
 とにかく給付対象を減らすか、年金積立金への還流をはかるしかないのですから、数字の細かい議論でごまかすのはやめて、(参院選後はしばらく選挙もないですし)、政治家も腹をくくって現実と対峙して欲しいものです。

 個人的には、もう10年くらいもたてば介護保険や健保と一体化させたり、贈与税を減らすことにより現役への資金移動をはかったりするんではないかなーと思います。
 
 ちなみに年金はサラリーマンと公務員はきっちり払わされているのに対し、偉そうなことを言っている国会議員のていたらく。
 本当に腹が立ちます。

投稿: ハーデス | 2004年5月14日 (金) 00時58分

ハーデスさん、

私もどちらかといえば、以前別な問題としてちょっと触れましたが、消費税などによる補填しかないのかなと、あきらめな感じでです。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/03/post_1.html">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/03/post_1.html

介護保険、健康保険との関連もほんとうに議論しなければならないでしょうね。

政治家の年金未払いの比率と、全体の未払いの比率のあまりの差に、私もだんだんはらがたってきました。

まあ、それ以上に厚生年金関係で130兆円以上の積立金があって、その運営がどうなっているのか、ようわからんという事態にも失望しているのですが...万々一、軟着陸の可能性があるとすれば、積立金以外ないというのも、多分事実でしょうし...

ほんとに...はぁ、とか深いためいきをつきたくなります。

投稿: ひでき | 2004年5月15日 (土) 01時40分

 年金の運用は厚生労働省のHP社会保障審議会の年金資金運用分科会である程度わかると思います。(例えば下記は26回です)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0122-6.html
 マニアックですが、ひできさんなら多分ご理解いただけると思います。
 金利等の未来予測シナリオも多分レファレンスに加え、デフレ早期脱却シナリオや中東政情不安シナリオ、資源安定化(多様化)シナリオなど数種類のミックスだと思います。

 グリーンピアなどの浪費は厳しく糾弾されるべきですが、しかし年金資金は巨額である故にマーケットへの影響も大きく、なかなか小回りは利きづらいと思います。
 しっかり5.3.3規制は守られているようですし(笑
 実際年金は税金であるために外債や外株に手を出しすぎるのは反対です。
 マスコミは「官僚が適当に」といいますが、そこまで変かな、と思います。リスク運用はプロ(証券会社)がやっていますしね。

 自分は厚生労働省とは全く関係ない一公務員ですが、年金情報はHPや本で稼ぎました(意外と年金白書は侮れない良質な本です)。
 ひできさんが実際にされたように国会議員もやる気になれば相当の量の情報がすでに公開されているためある程度制度構築ができると思います。

 だから民主党の姿勢に非常に憤慨するんですよね・・。もしかしたら厚生労働省を言い訳にして絵に描いた餅で終わらせようとしているのかと。
 未納問題の追求(というか自爆してますが)ではなく、税法式に基づく新しい年金制度を具体的に国民の前に出せば、まじめに考えている人間で得あればあるほど共感すると思うのですが・・。

 昨今の年金議論では個人的にそう思います。国民本位の建設的な議論をして欲しいと思います。

投稿: ハーデス | 2004年5月18日 (火) 03時40分

ハーデスさん、

深くうなづいております。

こういう問題って、私たちにできることは、どういう視点でこの問題をみるか、この問題をどう私たちの言葉で語りなおすか、ということだと感じました。へたくそな文章ですが、ちょっと「習作」を作ってみました。ハーデスさんにご覧いただければ、本当に幸甚です。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post_8.html">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post_8.html

投稿: ひでき | 2004年5月18日 (火) 08時45分

君はすばらしい

投稿: キルゴア | 2004年5月20日 (木) 12時42分

興味深く読ませていただきました。
私は数字には全く弱いのではっきり言って全部は理解するの大変なのですが、意外とデータは(正確かどうかはさておき)公表されてるんだな、とか、とにかくやっぱり色々計算しても大変そうなのだな、というのがよくわかりました。

そして、消費税や贈与税、介護保険など他の税金と絡めてお考えになっているところに、一歩進んでいるものを感じました。そういう風に政策って考えないと駄目ですよねえ。そんな発言をマスコミで一般レベルの情報では見聞きすることってないですよね。

と、私は素人なので専門的なことは全然わからないので、的外れなこと言ってるかもしれませんが、とにかく賞賛のコメントでした。

投稿: Hiroette | 2004年5月20日 (木) 13時37分

Hirotteさん、はじめまして、こんにちわ、

私も素人ですので、ええ(笑)。でも、年金についての最近の状況を見ていると我慢できないものを感じています。政治への参加、みたいのにもちょっと萌えてます、あ、いや、燃えてます。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/03/post_9.html">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/03/post_9.html

あの、ちなみに、Hirotteさんのサイトを読ませていただきます。Hirotteさんにはとてもかないそうにないですが、私も以前サンスクリット語にチャレンジしたり、ラテン語にチャレンジして敗れ去ったりした経験があります。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/01/post_5.html">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/01/post_5.html

その他、お話したいことがいっぱいありそうです。こんどHirotteさんのブログにあそびにいきま~す!

投稿: ひでき | 2004年5月20日 (木) 16時51分

ひできさん

こんにちは
当方のブログへのTB&コメントありがとうございました。
ところで、実はこのエントリを読んで書いたのが
【数字を理解するにはどうすればいいのでしょう?】
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/hiroette/712
でした。。。

自分の数字の弱さを思い知りました(笑)。

私もひできさんのブログ面白いことが書いてありそうなので、少しずつ読ませていただいております。確かに私と同じポイントに興味をもっていらっしゃるような感じがします(アプローチの道筋はちょっと違うかもしれませんが。)。
私もその辺については、順次書いていくつもりです。
これからもよろしくお願いします。

投稿: Hiroette | 2004年5月21日 (金) 09時50分

Hiroetteさん、

よろしくお願いいたします。すみません、数字の羅列を書いていまして...

先日ある経営者が「経営は数字だ」といっていました。私も仕事の上でものごとを数字で分析していくことがよくあります。数字だけではないのですが、数字をながめていると、なにか向こうから「来る」ことがあります。

数字も言葉です。道元が会ったある老僧は「お前に文字を教えよう。一、二、三、四。これが文字じゃ。」といったとか、いわないとか。

投稿: ひでき | 2004年5月21日 (金) 15時46分

 ひできさん
 拝見しましたが、私には少し難しすぎるようです(笑)。言いたいことはわかるのですが、計算してなぜ0なのだろうと考えてしまいました。そして誰もいなくなったの意ですか??

 公務員として実感するのが、マスコミがいかに「結論ありき」かです。そして政治家の腰抜け度です。

 年金の問題もそうだと思います。
 誰がどう見ても高齢者サイドの給付を減らし、若手の支給額を増やす、そしてそのバランスをうまく取ることしかあり得ないのに、部数の減少や選挙などを控え、高齢者の反発を食うわけには行かない。だから政府を攻撃することでお茶を濁していると思います。

 確かにグリーンピアや社会保険庁、未納議員は同じ公務員として許せませんし、厳しく罰するべきです。
 しかし、これらがなかったら年金制度は今後もうまく成り立つかというと成り立たないのです。
 上のようなことをもって年金法案を廃案にすると民主党は息巻いていますが、菅氏ですら言っているように「つなぎ」ならこれしかないと思います。先送りすればするほど後に悪影響を及ぼします。
 
 局地戦で遊ぶのはやめて、戦略的に政策を立案して欲しいと思います。
 政府を悪者にして、ごまかすのはやめて欲しいと思います。年金は待ったなしだと思いますので。

投稿: ハーデス | 2004年5月22日 (土) 02時26分

ハーデスさん、おはようございます、

タネ明かし、というほどのことでもないのですが、なにをいいたかったかを以下のコメントに書きました。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post_8.html#c270151">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post_8.html#c270151

一読して、なにをいいたいのか、わからないような文章では意味がありませんね。コメントしてくださったHiroetteさんではありませんが、数字を使わないでどう、年金の話をするかにトライした、本当に、「習作」でございます。これからこういう形をやってみたいという習いでございます。ああ、どうも言い訳してしまいますね、やめます。

実は、きちんと正面きって書かなかったのは、「手先の羊」の部分の仕組みが見えていないからです。共済会、KKRなどの仕組みはまだ私には全然見えてきておりません。

なにより問題なのは、厚生年金、共済会を除いた部分の国民年金の加入率が異常に低いことだと思いました。そしてこの異常な状況を作ったのは、実は仕組みを時代に応じて変えてこなかった、政治家の、官僚の、そして、国民の怠慢だと私は感じております。つまりは、加入率の問題からいっても、いまのままでは、ほんとうに「誰もいなくなった」状態になりかねません。だれでも、喜んで年金を払う仕組みが最低必要だと考えます。

追申 勝手ですが、ちょっと「調整」させていただきました。どうか、お気を悪くなさらないでください。

投稿: ひでき | 2004年5月22日 (土) 09時38分

ひできさん

 調整ありがとうございます。
 申し訳ございませんでした。

 ちなみに「手先」はちょっと(笑
 KKRは共済会と同じようなものです。

 実際は独立運用しており、勘定が違うので寓話は実態と違うように思えます。

 余談ですが、予定利率が高く、改正が厚生年金より遅れたため、「後世につけを回す気か」と大批判されたのも同じです。
 また、よくある「支給が多い」も保険料を多めに払っているためで、イメージとしては「厚生年金+厚生年金基金」=国家公務員共済でしょうか。
 ちなみに内輪からKKRの施設を全部つぶせ等という話が出ているくらい評判は悪く、厚生年金と発想は変わりません。
 ですから、そこまで言われなくてもいいのではないかと思います。

 年金構造の違いは考え方の違いです。
 つまり
・核家族形態=サラリーマン、公務員:これらは2~3層立て
・自営業者等=基本を除き一家で養う:昔ながらの家族形態なので1階だけで後は自助努力(フォローとして農業者年金や小規模企業共済など)
というわけです。
 「老人を家族で養う」昔ながらの形態は最低限。それができなさそうな世帯には2~3層という根本理念です。

 このあたり、基本は核家族=都市という発想のせいと、現実問題として自営業者は所得把握等を含め取りづらいせいだと思います。

 個人的には一元化論が些末な議論だとするのはこういう問題もあります。

 「年金をどういった形で構築するのか、具体的にどのように取るのか」という根本論の議論を最優先すべきだと思うからです。
 共済や厚生年金を合わせれば問題解決ではないのですから。

投稿: ハーデス | 2004年5月23日 (日) 02時23分

ハーデスさん、おはようございます、

なにより大変貴重な見解をここにいただき、ほんとうにありがとうございます。

「共済や厚生年金を合わせれば問題解決ではないのですから。」

このお言葉をほんとうに、腹にいれたいと思います。このこともわからずに、年金について書いている自分の不明を恥じます。

一元化すれば、「問題解決!」というのは、私も違うと感じております。どちらかというと、それぞれの実態にあった年金制度に、自分たちが納得して払える、という仕組みができないものなのか、と感じております。しかも、破綻した時のことまで視野にいれて!まあ、私ごときがここで書いてもごまめのはぎしりもいいところですが...でも、小石でも投げつづけたいと感じております。

他方、地方にいると「自営業者」、小売業者の崩壊という事態をまのあたりにすると、これで国民年金が崩壊してしまったらこの人たちはどうなってしまうのだろうか、と強く怒りを感じております。自分の街にも、もう本当に普通だったら年金暮らしに移行しているであろう年齢なのに、ご夫婦でお店を続けている方をお見かけします。私がごく小さい頃からお世話になっている方たちなので、お見かけするたびに自分が何ができるだろうかと、感じてしまいます。

それから、あの...「手先」という言葉は、失礼をしております。ハーデスさんのコメントを読ませていただいて、よほど変えてしまおうかとも、思ったのですが、自分が寓話を書いた時点で共済会うんぬん、あるいは、お役人に対して持っていた印象ではあるので、あえてこのままにさせていただきます。

また、KKRの「実態」については、もっときちんと調べまして、自分の腑に落とした上で、再度「寓話」にチャレンジさせてください。

ほんとうにありがとうございます。

投稿: ひでき | 2004年5月23日 (日) 09時42分

 私一人が書き込んでしまって申し訳ございません。また、過分なコメントを頂きまして汗顔の至りです。
 書きすぎたと思いますので、まだ言及されていない部分だけ書きまして、これで終わりにしたいと思います。お騒がせいたしました。

 自営業者につきましては、「3チャン」の古き良き時代が去り、後継者難となり、どこも逆核家族状態となっているというのはある程度政府もわかっていると思います。
 それを反映したのが、平成元年の「国民年金基金」の創設だと思います。
 実際、国民年金だけで暮らすのは不可能です(よって政府や政治家が言う「最低限の保証」は私は無責任だと思います)。

 そのほか、商工会や商工会議所の共済や、先に挙げました農業者年金などのフォローで初めて成り立つと思います。

 ただ、それに加入していないと・・・。国民年金加入率が自営業者に低いのは、国民年金だけでやっていけないことをわかっている人、そして「一生商売やる」と考えている人が多いこともあ理由だと理解します(農業のように体が資本のものはそれが不可能なので農業者年金に加入している人も結構いることがそれを暗示していると思います)。

 また、率直に申し上げれば、実態にあった年金制度は難しいと思います。ある程度一般化しないと制度にならないからです。特に自営業者は千差万別ですから・・。
 そういった意味でも税で徴収するというやり方は最も整理しやすいと思います。
 ただ、徴収者(財務省/国税庁)と給付者(厚労省/社会保険庁)が違うという問題があります。
 ここでこそ政治の出番だと思います。
 ただ、政治はそれを嫌がるでしょうが(--)

 何でも政府の責任追及ではなく、野党政治家が自分の言葉で正々堂々国民のための議論をすれば、政権交代は割と簡単だと思うのですが・・。政府役人の中では今は亡き「さきがけ」の評価が実は高かったりするのです。

投稿: ハーデス | 2004年5月26日 (水) 00時54分

ハーデスさん、こんにちわ、

いろいろと本当にありがとうございます。勉強になりました。

あの、ま、これで終わりということではないと思いますので、また御気軽に御立ち寄りいただければ幸甚です。

自営業の問題についても、ありがとうございます。非常に納得してしまいました。

国家公務員共済と地方公務員共済も、すこしづつ勉強しております。「公務員共済年金の財政単位一元化」とかいう議論があることも今回初めて知りました。共済の被保険者(?)の数も、こんなもんなんだと、知りました。

「年金」の問題は、問題としての緊急性は低いかもしれませんが、普通のお勤めの方、自営業者、政治家、公務員の方、みんなに共通の問題であるという、自分の立場で考えやすい政治的な解決が必要な問題なのだなと、捉えるようになりました。だからこそ、政治家がはらっていないということも、国民一般の感覚から、みなさんが反応できるのではないかと思います。

なかなか、「政治的な解決」という言葉は、一時しのぎのような、蛮勇をふるうだけのような、意味でとられがちですが、「仕組みの根本部分から物事がうまくようにする」というのが本来の意味の政治的な解決でないかと、感じます。この意味で、「年金」の問題は、いろいろな方がいろいろな立場で、「政治的解決」ということを考えるよいトピックスだと感じました。ハーデスさんのおっしゃるように、「政治の出番」なのだと感じます。

ああ、なんか別な記事が書きたくなってきましたが...

ハーデスさん、ほんとうにありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: ひでき | 2004年5月26日 (水) 12時23分

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