今日聞いたおとぎ話(習作)
私の事務所に遊びにきたお姉さんから、こんな話を聞いた。
昔々あるまきばに600匹の羊がいた。羊たちは、白い絵の具をぬって白い羊毛をはやすことになっていた。羊たちは実は3つのグループに分かれていた。飼い主に素直な羊たちと、飼い主のいうことをきかない羊たちと、飼い主の手先の羊たちだった。
最初のグループの羊たちは、「白くぬれ」というおふだがでると、それだけで自分たちをお互いに白くぬりあい、97.5%までの羊は白くなった。そして、温かそうな羊毛を生やした。「冬が来ても、羊毛をうればいいよね」といいあって、ちくちくする白い絵の具を我慢していた。
2番目のグループの羊たちは、自由が好きで自由な羊になったので、飼い主のいうことをきかなかった。だから、白くぬった羊は、ほんのすこしだった。でも、自由があったので、ちょっと変わった色の絵の具をぬって、ちょっと変わった色の羊毛をいっぱい生やした。でも、変わった色の羊毛は、飼い主が喜ばなかったので、みな冬が来るまえに刈られて捨てられてしまった。
手先になった羊たちは、飼い主がなにをいいたいのか、ほかの羊たちにどう白くぬったらいいのか決める事が出来たので、おなじ白でも、飼い主にばれないように、灰色だの、クリーム色だの、自分たちの勝手な白っぽい色をぬり、自分たちでほめあった。でも、勝手な色だったので、羊毛はなかなか生えてこなかった。
春の内は、3種類の羊がみんななかよく草をはむことができた。でも、秋が来て、冬が来て、だんだん草が食べられなくなってきた。飼い主は、羊毛を刈り取って、羊毛を売って草を買おうとした。しかし、本当に必要な羊毛のいつのまにか3分の1しか刈り取ることができなかった。3分の1の羊毛では、みんなが食べる事はできなかったので、羊たちはみな飢えて死んでしまった。飼い主に忠実だった羊たちも、飼い主から自由だった羊たちも、飼い主の手先になった羊たちも、冬をこすことはできなかった。飼い主もどこかへいってしまった。
そして、誰もいなくなったまきばに黒い羊たちがやってきた。
不思議な話だった。
彼女は続けた。
「まだ、ちょっと聞いてほしいんだけどね。こんな算数は解けるかな?全体の40%の羊は色を白くぬっていません。そのうち3分の2の羊は、ほぼみんな色を白くぬっていません。では、残りの3分の1の羊の内で、白く塗っているのは、なん%になるでしょうか?」
私は、考え込んでしまった。
■追記 (平成16年5月23日)
本「おとぎ話」は、いかようにも解釈いただければ幸いですが、私としてどのような意思でこの記事を書いたかは、コメントをごらんください。その上で、ハーデスさんが、「人もすなる年金」という記事に、コメントをくださいました。この「寓話」のモチーフが正確でない部分があるようです。必ず、ご一読ください。
■追記の追記 (平成16年6月3日)
この記事を読んで下さった方、もうしわけございません。勘違いしておりました。以下にリンクしてある毎日新聞の記事にあるように国民年金の1号被保険者の加入率が52.7%だということです。全体の7,000万人の加入率ではなかったので、さすがに厚生年金、共済以外の加入者がほとんど0ということではない、そうです。小泉首相ではありませんが、自分の不明を恥じます。
・<国民年金>免除者加えた未納率47% 02年度 [ 05月27日 20時39分 ]
とんでもないことを書いてしまったと思いますが、自分の「臥薪嘗胆」とするため、あえてこのままとさせてください。
■参照リンク
・国の年金制度の基礎知識 by 石津 史子さん (非常にわかりやすいです。はじめてちょっと納得できました。)
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コメント
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投稿: BLUEPIXY | 2004年5月18日 (火) 01時29分
Bulepixyさん、おはようございます。
そーなんですよね。0になっちゃうんじゃないかと...せめて10人、いや10匹に一匹くらいの数になってくれるといいなと思っておりました。まあ、おとぎ話ですからね。
投稿: ひでき | 2004年5月18日 (火) 08時43分
この数日一生懸命考えましたが、このお話が何をいいたいのか、どうしてもわかりませんでした。「算数」のほうはすぐにわかるのですが、でもそれで何がいいたいのか、やはりわかりませんし、「お話」と「算数」の関係もわかりません。
仲間割れはやめて仲良くしよう?民主主義は機能しない?経営管理の重要性?白い羊は遺伝的に劣性?あわれな羊に救いの手を差し伸べるべき?だめだだめだ。降参です。教えてください。
投稿: 山口 浩 | 2004年5月22日 (土) 02時11分
山口浩さん、おはようございます、
真意が伝わらないような悪文を書いた自分の非才を嘆きます。そんな、山口さんのような知性が悩むような問題ではありませんよ。はぁ、もっと修行します。
これは、国民年金の問題について書いた物語です。
ご存知のように、お勤めの方は厚生年金に入ります。そうすると、自動的に国民年金に加入します。これが「素直な羊」です。
次が自営業などの、国民年金加入者です。義務ではあるのですが、自分たちで手続きしないといけないので、非常に加入率が低い。これが「自由な羊」です。これは、後で触れます。
最後が、「手先の羊」達で、KKR、国家公務員共済会連合に代表されるように、役所独自の年金の仕組みを、共済会という組織で自分たち独自の年金の仕組みを作っています。あの、おほりばたにあるKKRホテルとか、各地のリゾートのKKRとかは、全て基本的に公務員の共済会の保養施設です。あまり詳細をまだ調べていませんが、単位共済会はかなり細分化されているようです。でも、みな国民年金にも入っています。いるはずです。
それで、私が誤読しているのでなければ、「素直な羊」たちも、「手先の羊」たちも、それぞれの年金の仕組みを通して国民年金には、入っていることになります。ほとんど100%に近いくらいの加入率で。で、たぶん、この2つのグループで、年金の被保険者の3分の2以上を占めるはずなんです。しかし、国民年金の全体の加入率って、たしか70%前後くらいなんですね。じゃあ、「自由な羊」さんたちだけをとれば、一体なん%の人、いや、羊さんたちが、いや、人が国民年金に入っているのかしら?、ということになります。ほんとうん、算数の問題でいえばかなり0%に近いのではないのでしょうか?ちなみに、この羊さんたちのグループに国会議員なども入ります。
私が、以前「人もすなる年金というもの」で書いたのは、厚生年金の世界のことで、国民年金とくらべるとまだはるかにましです。調査が足りませんが、国民年金は、もっときびしいことはわかっています。これで、超高齢社会を迎えた時に、いったいどうなるんだろう、外国人度労働者とかの問題を真剣に考えなければならない、じゃあ、その人たちの年金とか、どうするの?といったような感じです、はい。
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post.html">http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/post.html
ストレートにこう書いたほうがはるかにわかりやすいですね。
投稿: ひでき | 2004年5月22日 (土) 09時04分