[書評]伝わる・揺さぶる!文章を書く finding the alpha blogger
なんというか、ここのところ文章恐怖症に陥っていた。つくづく自分は「文章下手の文章好き」かなと思い知らされたことがあった。よく人から「あんたの書いていることはわからん!難しげに見えすぎる!」といわれる。
本書には、いくつか「伝わる・揺さぶる!文章を書く」ためのキーワードがある。そのひとつは、「問うこと」だろう。正直、私にとって一番のキーワードは「読む人の立場になる」ということであったが、これは後述したい。いずれにせよ、機能から見たときのブログにおいてますます文章力が重要になってくるのだ思うし、そのためには本書は重要なヒントをもたらしてくれるであろう。
どのような経緯であれこのブログにたどり着いていただいたあなた(ありがとうございます!)の中で、冒頭の節を読んでさまざまな「問い」が生まれたと思う。「どっかで聞いたような言葉だな?なんだっけ」、「こいつはなんのうけをねらっているのだろう?」、「こいつはなにか偏向しているのか?」...あなたに起こったこうした「問い」を文章を書く自分の中で予想して、文章の先を組み立てていけるかどうかが、ひとつのポイントであろうと思う。
さて、ブログの読者として、あるいは下手な文章をブログにつづる者として、私にはいつかはこういう文章を書きたいと思ってお手本にさせていただいている方が何人かいらっしゃる。たとえば、橋本大也さんだ。橋本さんが書いていらっしゃる「Passion For The Future」はすばらしい。橋本さんは奔放にさまざまなトピックを扱いながらも実に「伝わる・揺さぶる!文章」を書いておられる。本書を読んだいま、改めてこれまで読んできた橋本さんの文章を思い出すと実にこの本のポイントを満たしていることがわかる。「機能する文章」、「集め方・絞り方・決め方」、「自分の根っこの想い」、そしてなによりも橋本さんの文書には「相手の側から見る・他者の感覚を知る」という視点がある。橋本さんには、「自分にしかわからない言葉を使わない」(思考停止しない)など文章を読む人への配慮を感じる。
しかるに、自分の書く文書はなにか?多分悪文の見本のようなものだろう。横文字でも、漢字でもやたら日常の会話にでてこないような言葉を使っている。普通の言葉のような言葉でも「リアル」だの、「ネットワーク思考」だの、自分にしかわからないような定義で使ったいたりしている。つまりは、私が文章を書くときには他者への思いやりがないのだ。他人の視点という感覚なく書いているのだ、今回気がついた。
これは、本書を読み、橋本さんの文書を思い起こしたとき、一番自分にとって反省させられた点だ。今後、自分は自分のブログにといて「伝わる・揺さぶる!文章を書く」ように努力することを宣言して、この文章をしめくくりたい。
ああ、一言だけ付言すればこの本書の著者の山田ズーニーさんがかかわられた進研ゼミの「小論文講座」は私が文章を書き始めるきっかけであった。この意味で、本書と自分の縁の歴史は古いのかもしれない。
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コメント
ひできさん、こんにちは。私も山田ズーニーさんの文章には、文章の書き方だけでなく、一人の社会人としてのスタンスについていろいろ教えられています(「ほぼ日」の連載もいつも読んでいます)。
知識も教養もだいぶ浅い私でさえかなり勇気を出して書いているぐらいですから、ひできさんが文章恐怖症になどなる必要はありませんよ(^^)
橋本大也さんはある部分で(私とは)考え方が違うなと思っていて、そのあたりはなかなかうまく表現できませんが、文章に関してはたしかに、どんなジャンルについてもかなり読みやすく実用的な文章を書かれる方ですね。
あ、今日はもうイブですね。メリー・クリスマス!
投稿: 左近 | 2004年12月24日 (金) 02時00分
左近さん、こんばんわ、
いま、実はネットワークの視点から文章の伝わりやすさとか表現できないかなとか考えています。なんつうか、一定のつたわりやすい文章の量とかあると思うんですね。それが、少なすぎると誤解を生むし、長すぎると冗長になるわけで。「赤!」と一言ネットで書き込んだときに、色の赤ととってもらえればよいのですが、イデオロギーできに赤ととらえる人もでるかもしれませんし、洋服のことだととらえる人もいるかもしれません。前後に「今日は赤い色の鉛筆を使って絵を描いた。」とかあればほとんど誤解は生じないでしょう。一方、こうやって私のようにやたら長い文章を書いていると冗長すぎる!、となるわけです。
そして、こうした視点から考えれば、ネットで掲示板とかがどっちかというと荒れて、ブログが割りとあれないというのは、自分のメッセージの長さが誤解されない程度に冗長性があるからだと感じております。シャノンとかの情報量とかラジオの雑音と情報の曲線とかに行き着きそうなのですが、もうちょっとネットよりで発想したいと思っています。たとえば、ネットワークの形とか密度によって伝わり易さが違うとか、適切な情報量が違ってくるとか...
ああ、とかいいながらまたわわかりにくい文章書いていますよね。切腹!(笑)
投稿: ひでき | 2004年12月25日 (土) 00時01分
こんにちは。橋本です。ほめすぎです(笑)。
でも、ありがとうございます。
投稿: daiya | 2004年12月25日 (土) 06時45分
うわっ、daiyaさんだ、daiyaさんだ、daiyaさんだ!うれしいな。うれしいな。
おはようございます。コメントいただけてとてもうれしいです。いつも「Passion for the Future」読ませていただいております。
実は(みえみえ?)、この記事は徳力さんのところでやっていらっしゃる「アルファ・ブロガー」のエントリーも兼ねております。
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=311">http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=311
裏話で書いていらっしゃるように、daiyaさんの「無敵会議」でのご活躍がこの企画のきっかけになっているようです。
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=317">http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=317
なんというか、リアルでもネットでも人を巻き込んで活動されているお姿に非常に感銘をうけます。daiyaさんの記事がきっかけで私にとって非常に重要な出会いも生まれています。先日は、ネットはまったく関係のないあるお取引先さんに伺って話ていたら、4月の無敵会議の話題になって、知らずにお互い出席していたことがわかって「よかったよね!」とえらくもりあがってしまいました。
ぜひぜひ今後ともブロガーたちに影響を与え続けてください。今日の無敵会議がんばってくださいね!
投稿: ひでき | 2004年12月25日 (土) 07時53分
ひできさんとdaiyaさんは、私にとっては同等なので、コメントに感激しているのが、かえっておかしく感じるほどです。たしかにひできさんの文章はわかりにくいですが、その中から自分の心に引っかかる部分を読んでいます。わかりやすい文にすると、そういう部分が書きこぼれてしまうように思います。今のままでもいいじゃないですか。
投稿: quimito | 2004年12月25日 (土) 16時29分
quimitoさん、おはようございます、
はじめまして!
うれしいコメントをいただき、ありがとうございます。
「ご本ご本」から足を伸ばして、全部ではありませんが「本箱」までよませていただきました。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/quimito/
ちょうど昨晩も知的財産の話などでもりあがっていたので、ダイソンさんの本の話はとても興味深かったです。
ええと、daiyaさんと私ではかなり「格」が違います。これも機能しいれたネタですが、feed meterあたりを参照いただくといっそう明快かと...
http://feedmeter.net/
Strive to do better!といったところでしょうか(笑)。あの、とにかくできることをやっていきます!
投稿: ひでき | 2004年12月26日 (日) 08時19分
こんばんは。
ご存知かもしれませんが、NHK教育『日本語なるほど塾』にズーニーさんがでます。
4月7日、14日、21日、28日(木)夜10時25分から。よろしければ、どうぞ。
投稿: quimito | 2005年4月 6日 (水) 19時36分
quimitoさん、こんばんわ、
そーなんですか!これは見ないといけないですね。そもそもズーニーさんって女性なんですよね?それすらわかっていない私です。
いやぁ、実は先日日本語で書いた記事を英語に直してみたんですね。そしたら、自分の記事であるにもかかわらず論旨が追えない!自己嫌悪に陥ってしまいました。宣言とはほどとおい現在です。
投稿: ひでき | 2005年4月 6日 (水) 19時59分