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2005年3月 6日 (日)

リアルに生かすブログの知恵 DON'T TRUST OVER THIRTY

指定BGM:マニアの受難 by Moonriders

最近、ブログでまなんだことをできるだけ日常の自分の生活の中で生かそうとしている。

たとえば、べき乗則だがいろいろなパフォーマンスに関するグラフ化した資料についてできるだけ1位から順番にならべて表示させるようにしている。本来ひとつひとつ分布を検証すべきなのだがそこまで仕事上での余裕がない。多分すくなくとも仕事で使ういろいろなパフォーマンスを示すグラフで少なくともかなり平均とモードが大きくずれていてskew*1しているように見える。

同様にしてリアルでの商売の方針についても、べき乗則を生かして強いものをより強くすることが大事だという認識で考えるようになったきた。やはり、商売をやっていると強い部分、弱い部分がどうしても出てきてしまう。その中で、弱い部分を伸ばすよりも強い部分を伸ばすほうが、べき分布がよく「ロングテイル(ながいすそ)」といわれるようにすそのが広がって全体があがっていくということを実感する。なんというか強く実感するのは、やはり商売というものは非常に強い部分がなければ市場の競争の中で負けてしまうということだ。いわゆる「地域一番店」の発想は実はべき乗則的なのだと思う。

社内で議論をするときに、ついついエージェントモデルを連想してしまう。「経済物理学」のモデルによれば、3人以上のエージェントが為替などの市場の先行きについて期待をもって取引をするだけで、ストレンジアトラクタともいえる線形な考え方では予測不能な結果を産むのだという。これは、コンピューターのシュミレーションでなくとも、日々の3人以上、3つ以上の利害のからんだ話し合いの中で実感できる。それぞれの思惑があって議論しているとなかなかかみ合わない。ストレンジアトラクタが発生しているといってもいい。いわゆるカオスだ。これを避けるにはせいぜい2つの利害しかないような話し合いの場にするか、逆に多くの立場の人を一変にあつめて議長、司会の役割を自分で取る。こうすると、逆に自分対多くの利害の合成物という形になって収束する。いつのまにか姑息な知恵を使うようになってしまった...orz

エージェントモデルの統計物理学的考察 (PDF) by 佐藤彰洋さん

複雑ネットワークについての知見も自分の日々の行動を決定するうえでとても大事だ。ブログをはじめる前までは、現代の世俗化し匿名化した社会の中ではなにをやっても大丈夫だと思っていた。人との関係もワンタイムというか、その場でよければいいし、だめならまた別の相手ととりくめばいいと思っていた。しかし、6次のつながりが存在するとか、前提条件によっては99%以上の確率で日本の中で友達の友達は友達だと証明しうるというなことを知った後ではほんとうにお一人お一人とのご縁を大事にしなければならないと実感している。実は自分が電車で隣に座っていた人ですら、自分の重要な取引先や大事な人の知りあいである確率はかなり高い*2。また、最近の技術により可視化されたネットワークを見ることのできたインパクトは「6次の隔たり」を実感する上で大きい。

あと、このブログ界隈の進展自体が人間の社会の進展の何千倍にも圧縮された形の歴史をたどっているような気がしてならない。R30さんが見事に2004年を総括されていたが、昨年あたりのブログの展開は実は人が1000年くらいかけて経験してきた歴史に例えられるほどの進展であったのではなかろうか?また、R30さんが記録にすべて残ってしまうということについて心配していらっしゃったが、これは文字が普及していく過程と比べられるほどの事態ではないか?人がごちゃごちゃとなんでもやる状態から次第に職能などで分化していく過程と、ブログの分化を並行関係としてみることはできないか?現在読んでいる網野善彦を曲解してるだけかもしれない。ある社会的な関係の栄枯盛衰を目の当たりにできたことは大きい。なぜなら、人は組織と関係せざるをえないし、あらゆる組織体、ネットワーク構造が同様の進展を見せる可能性が高いからだ。組織とかかわっていく中でこの進展を頭において活動方針をたてるとき、いくつかの変化を産みだせるように思う。

なんというか分子発生学ではないのだが歴史の展開というのは、人が環境を作り、環境が人を作るという側面があるように思う。このブログの展開というものは、たとえどれだけSPAMでノイズに過ぎない私のような者でも、全体がなにかの場を生み、その場がまた自分に作用をしてくるという、生成化育の場というものを可視化されたネットワークの中で感じることができたように思う。これは、私がリアルな、あまりにリアルなリアルの中で生きていくためにはとても大きな体験であったと感じる。

ああ、なんか最近ブログ擁護にはしっているのは、自分で自分を納得させたいからだろうか?

■注

*1

「skew」って日本語の統計用語でなんというのでしたっけ?あ、「歪度」でしたっけ?

「モード」は「最頻値」?

*2

ああ、そういえば真剣昨年電車で隣に座った人が、自分がよく知っている方の名刺を広げていたっけ...つい先日は、午前中会った方と4、50km離れた場所で午後偶然すれちがったりもした...ああ、もっとすごい人の縁もあったけどそれはまたこんど...

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コメント

はじめまして。
 「ぶろぐ」なるものを始めて一ヶ月ほどになりましたが、ちょっと「はまりぎみ」の自分が非常に気になってきた、ブログ超絶初心者のmoju3と申します。ぶろぐってなんだろうと、ふらふらしていて御ブログにひっかかりました。
 サブタイトルの正法眼蔵、記事の内容をさらっとですが、読ませていただき、何事にもエネルギッシュに取り組んでおられる姿に、感銘。そのチカラはどこから出てくるのか、とも興味。弊ぶろぐのリンクリストに登録させていただくことを、勝手に決定してしまいました。
 まことに稚拙な弊ぶろぐにて、もし、ご迷惑でしたらご連絡ください。
 またよらせていただいて、他の記事も読ませていただきたいと思います。

投稿: moju3 | 2005年3月 7日 (月) 12時12分

moju3さん、こんばんわ、

一応こちらでもお返事しておきます。

http://moju3.blog.ocn.ne.jp/hogedesign/2005/03/post_18.html

なんでもですね、巨視的に見てしまうとブログでお散歩に行く様子は、ブラウン運動という水に浮かんだ花粉の動きに似ているのだそうです。んで、このアインシュタインが定式化してブラウン運動の方程式で為替の動きまで記述できてしまうんだそうです。

なんかこんなことまで身近に感じられるようになるブログ界隈ってなんかすごいなぁ、と想っています。

投稿: ひでき | 2005年3月 7日 (月) 18時46分

利害関係者をたくさん集めて一気に決着をつける方法は、まえに、テレビ関係のプロデューサーがやっていたのでよく覚えています。

利害関係者がたくさん集まるとみんなおたがい見合ってしまい、それぞれが議論なんかしていると当分、先に進まないことが参加者全員、一瞬のうちにわかる。

そこで一気に司会者が躍り出て、全員の仕事/負担/貢献の割り振りをしてしまうと、受けざるを得ないことになってしまう。

ただ、問題は、このときの分担内容/仕切りを事前に相当練り込んで、参加者の間で対等なものにしておかないと、割り振られた側にはかなり欲求不満が残ること。

受け取る人によっては、「はめられた」と思ってしまうことさえあるわけで。

このあたりが微妙ですね。

投稿: miyakoda | 2005年3月 9日 (水) 13時19分

miyakodaさん、こんばんわ、

そーなんですよね、この辺が力量というか、バラバシの言葉を借りれば「適応度」(ノードの魅力のようなもの)みたいのが、重要なんでしょうね。

ま、いずれにせよ少々姑息な手段ではあります(笑)。

ちなみに、最近記事毎のアクセス数の統計をサイドバーの一番したに表示しているんですが、これが見事にべき乗則にはまっているみたいですね。

今日、Wedgeという雑誌の四方哲也さんという方が大変面白い実験について書いていらっしゃいました。

http://www01.eng.osaka-u.ac.jp/bio/ez/seim01.html

って、まあご自身で「生物複雑系」っておっしゃっているんですね。納得。

また、いま米国のリベラルと保守についての本を読んでいるのですが、これも読んでいくとどうしてもネットワーク理論やエージェントによるシュミレーションと結び付けたくなる箇所があるんですよね。

「アメリカの保守とリベラル」
ISBN:4061590723

いんやぁ、ますますネットワーク思考にはまっているひできでございました。

投稿: ひでき | 2005年3月 9日 (水) 22時21分

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