はらをたてみる getting angry
最近、なにか腹の立つことが多い。私は、割と温和な方だと自認している。よき市民であり、よき社会人であろうと日々努力しているし、税金だって、年金だってちゃんと払っている。政治でもあくまで自分は保守だと信じている。でも、最近の法律やら司法を見ていると、ほんとうに我々国民をつぶそうと画策している人がいるんじゃないかと、陰謀論にでも加担したくなってくる。
たとえば、個人情報保護法だ。やっと情報公開とかいい方向かなとか思っていたら、今度はまったく逆の法律の施行だ。情報流出の被害事態については、もう十分取り締まる法律や判例があるわけだし、社会的にも大きく取り扱われる事態に陥っている。なにをいまさらこんなに現場が混乱する法律が施行されなければならないのか、本当に理解できない。この法律で混乱させられているのは、私だけではないと信じる。まあ、それでも法の下の平等というかみんな同じように苦労しているのなら、仕方ないかなと思っていた。ついこの間まで...しかし、そうではないことを知ってから腹が立って仕方がない。
第5章 雑則
報道、著述、学術研究、宗教活動、政治活動の用に供する目的で個人情報を取り扱う報道機関、著述を業として行う者、学術研究機関等、宗教団体、政治団体については、第4章の適用を除外(50条1項)
これらの主体は、安全管理、苦情処理等のために必要な措置を自ら講じ、その内容を公表するよう努力(50条3項)
下線、強調はHPO
・個人情報の保護に関する法律の概要 @ 首相官邸
私の感覚からいうと、ここであげられている5部門というのはむやみに個人情報を取り扱っていただきたくない代表的な部門ではないかという気がする。この5つの部門うちのひとつやふたつから、見ず知らずであるにもかかわらずいきなりな電話を受け取ったことのない人はいないのではないだろうか?大体、「報道」とか「著述」ってどこからが対象になるのだろうか?ブログを書いていたら「報道」とか「著述」の認定をもらえて個人情報の義務規定から適用除外を受けられるのだろうか?まあ、5000件以上の個人情報をブログに載せる人がいるとも思えないが、なんというか納得がいかない。
もっと納得がいかないのが、山口浩さんから教えていただいた録画ネットの件だ。
・録画ネットは他人事じゃない by 山口浩さん
まあ、私の的をはずしまくったコメントがあるので、非常に恥ずかしいのだが、どうもこれは尋常じゃあない。友達のイワサキ君がいろいろ教えてくれた。山口さんの記事とこれらのサイトの内容を読んでいただければ、本件に関してもう私がいうことはなにもないだろう。まあ、あえて言えば、「衛星でアジアにもれている電波はどうするんだぁ!」とか、「普通にお店で売っているルーターでおんなじことできちゃうじゃん!それは規制しないのかぁ!」とか、「私的利用とかフェアユースとかどうなってんじゃあ!」、ということくらいかな。
・あるベンチャーがテレビ業界に潰された――録画ネット事件 by 佐々木俊尚さん
・「サービス停止仮処分の申し立て」 @ 録画ネット
だが、ちと私の腹立ちはおさまっていない。なんというか、人口も減少していく中で、ほんとうにベンチャー企業、あたらしい産業分野の育成というのはこれから限りなく大事になるのだと信じている。大企業がいかに雪崩(カスケード)的危機に弱いかは、べき乗則をだすまでもなく、ライブドアの例を見るまでもなく明らかになってきた。大体、ますますリストラをしていこうとする大企業には、雇用を増やすことは期待できないだろう。こうした中で、新たな雇用を産む可能性のある新しい商売を起こそうとする人たちに、エールを贈りこそすれ、その歩みを止めさせるような政策をおしすすめるべきではないのではないか?大企業では、ますます革新的に新しい分野での商品の開発ができなくなってきていると聞く。個人情報保護法の施行にしろ、録画ネット事件にしろ、どうもこうした企業家精神にあふれる人々をなえさせるような法の施行の仕方、司法判断が最近多いような気がしてならない。
責任者でてこぉーい!
■追記 翌朝
朝の通勤途中で、なににはらをたてているのかやっとわかった。よく政府は、規制緩和というが一体なんのための規制緩和なのかがまったく見えないといことだ。これらの法律や判例が出たことで国民の生活が向上するとか、日本の国力、競争力が非常に高まるとはまったく思えない。これは稿を改めてまた考える。
■注
なお、タイトルは某所でご意見をいただいたゆのさんのまねです。ゆのさん、いつもありがとうございます!
■参照リンク
・海外で日本のテレビを見る方法 by ドイツ駐在さん いっぱい方法はあるんですね。
・「録画ネット」に差し止め命令ですと!? by 無線☆ちゃん さん
・録画ネットのサービス差し止め 、 つぶされない努力 by Yukiさん
・地上波キー局がVOD配信で初契約--ネオ・インデックスとTBS @ C-NET
・デジタル放送の録画は難しい @ デジタルアリーナ
・何が一番大切かって?そりゃあ競争力でしょう! (HPO)
・国破れて個人の権利あり? (HPO)
・ブログの信頼性向上 by 伊藤 芳浩さん
■追記
怒りはむだではなかったんですな。いや、私のではなく「録画ネット」の中の方のね。
- 中山信弘氏の情熱 @ 池田信夫ブログ
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コメント
同感です。
役人的センスから言わしてもらうと、報道の横暴を抑えることが民主主義への第一歩だと思っています。
要するに力(ペンの横暴)があるためにごり押ししたというのが実態でしょう。宗教、政治活動も同じです。
ま、確かにそれも民主主義ではありますが(毒)。
規制緩和については根本的な問題があります。
それは、「アメリカ型の裁判で白黒つける」のか、「日本風に役所が規制するのか」について、マスコミを中心に前者に流れていることです。
別に私が役人だから言うわけではないですが、日本の風土は後者の方があっていると思います。
細かいことは省略しますが、政府が規律を定める事ってそんなに不自由ですか?自由競争はそんなに良いことですか?これを私は強く主張したいです。それはバランスの問題で、規制緩和の議論は少しバランスが崩れていると思います。
(もちろん政府が規律をある程度担当する以上不良公務員は厳罰に処すべきであると考えます)
日本型社会資本主義というものを否定し、無理に欧米風の制度を導入しようとするひずみが出ているのだと思います。
その代表例がホリエモンのような法律違反でなければマナーにいくら反しても良いという発想ではないかと思います。
投稿: ハーデス | 2005年4月29日 (金) 23時20分
ハーデスさん、こんばんわ、
いつもありがとうございます。「除外」についてのご意見、深く同意します。「録画ネット」事件についても、不公平でごり押しだと感じる方もいらっしゃるようですし、他のメディアがかけているもろもろの圧力についても、大分書籍も出ているようなので、私はもうなにも加える必要はないかもしれませんが、それらの動き方のあまりの自己保身にへきえきしてしまいます。
少々抽象的にしかかけないのですが、いまの世間の秩序で最終的な意思決定をしていて、最終的な利益を享受しているのは、60代以上の老人達です。彼らは業界と政治家と(恐縮ですが)一部官僚、そしてマスコミと結ぶことにより絶大な権力をもち、自己を守る力をもっています。私もまもなく40代にはいりますが、こうした状況に30代以下がうんざりしているか、新しいことにチャレンジする意欲を失うかしているように、私には感じられます。
そして、この構造はさまざまなレベル、さまざまな場所でみることができます。彼らのうちのごくローカルな者達ですら、サラリーマンの生涯賃金の数十倍の資産を築いたりしています。
私がものすごく不思議なのは、おうおうにしてそれらの老人が後継者たるべき者達を育てていないか、後継者たるべき者達とまったく隔絶してることが見うけられるということです。一体彼らは墓場の先まで自分の築いた地位や財産を持っていけると信じているのでしょうか?なにを生きがいとして、彼らは生きているのでしょうか?不可解でなりません。(まあ、若い者達がそれらの権力を無理にでもはぎとることができればよいのでしょうが。。。)
そして、それらの老人達のエゴの蓄積により日本はゆっくりと死につつあります。
私は、法律は国民に対する国の最大のサービスだと想っています。これらの老人に対抗するには、ぎりぎりの線であろうと法律を上手に使う以外、政治家にも、官僚にもたのむことのできない者達にとって、方法がないように私には想えます。この意味では、私はどれだけお金儲けがりがりの目的であっても、ホリエモンのような現行権威の破壊者を応援したいです。
財産とは、それが金額に換算されうるものであればすべて、次代には価値がなくなってしまうものだと信じます。唯一、新しく価値を産みつづけられる人材を作ることだけが、次代をひらくのだと信じます。そして、ここの点の誤解こそが多くの老人達が道を見失ってしまう理由なのだと感じています。
投稿: ひでき | 2005年4月30日 (土) 18時24分