[書評]けなす技術 l'art pour critiquer
「けなす技術」 by 山本一郎さまさん
おもしろかった。ページの紙が厚いことと、「SNSNS」という誤植があったことを除けば本書こそこそまさに私がブログ界隈について書いてほしいと願っていた本だといえる。
いや、こういう書き出し方で始めては真に本書を読んだことにはならない。この本で学んだ「けなす技術」を遺憾なく発揮しなければ、真っ向から本書をうけとめたことにならない。
では、ヒアー・ウィー・ゴー・アゲイン!
まぁ、原稿が遅れたらしいし、校了までの時間がないなかでやったことはわかるんだけど、ちょっとあせりすぎたんじゃないかな?結構、誤植っぽいのあるよね。
たとえばp.60の「SNSNS」って「SNS」でしょ?その数ページ先のアクセス実験の結果を示す表の2段目の「ココログ」、「マイページ」というのも意味不明だ。「ニフティー」が「ココログ」なのは、わかるとして「マイページ」ってなんなんだろうか?
をっと、他にも「まちがい」を指摘しているサイト発見!
・★「切込隊長」氏の新刊に誤り発見 @ ★てれびまにあ。
それから、紙厚すぎ!最近流行る本がみんな紙を厚いからという理由で、山本一郎さんの本まで厚くなる必要はないでしょ。そんなにうれなきゃならないの?お金持ちなんだから、本で稼がなくてもよいじゃないの?
だいたい「けなす技術」というタイトルからして、ウケをねらいすぎ?どうして素直に「メディアのリテラシーをきちんとつけたうえで、積極的に物事を批判的に見て、表現し続けることがブログでは大事である。」とか書けないのだろうか?あるいは、もっと素直に「煽る技術」とかタイトルをつけた方が的確だったのではないだろうか?紙媒体にしてすら、実に刺激的で伝播性の高い切込隊長さんの言葉がちりばめられていた。
ただ、言葉の問題についていえば、本書が想定する読者層がどの辺なのか不明確だと感じた。山本一郎さんとして、一般読者に対して書いているのだとするとネット用語が多すぎる。1年以上もブログを書き続けた私でもわからない単語が頻出している。「けなす技術」というタイトルもネットになじみのない読者にはあまりに否定的な印象を与えてしまうだろう。逆に切込隊長さんとしてブログ界隈の住人を対象としているのなら、踏み込みが甘いのではないだろうか?食い足りない感あった。もっともっと、時事問題に対してつっこんでほしかった。もっとも、これが紙媒体の表現の限界なんだろうか?
そうそう、しかもここに書いてあるISEDからみの内容はロングテイルや、べき乗則、複雑ネットワーク理論で説明できるものばかりじゃないか!山本一郎さんは私のブログを読んでいないのだろう。実にけしからん話だ!いや、さすがにこれは冗談だが。
実は、本書を読了して一番感じたのは、隊長の愛だ。「ブログで語り続けろ」、そんなメッセージを受け取った。p.136のコラムを読んで実はじーんときてしまった。「ニートでもいい、ひきこもりでもいい、生きろ」ということだと感じた。ありがとう切込隊長!
うーん、まだまだ本書の読み込みが足りないらしい。あまり「けなす技術」が生かされない書評になってしまった。あまりに中途半端だ。嗚呼、これを素直に反省して日々修行だな。
■参照リンク
・けなす技術 by 橋本大也さん
・ネットコミュニケーションを考察する『けなす技術』 @ Artifact
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