« 中国と歴史とリンク The Great Gates of Kiev | トップページ | [書評]相対幻論 context on the network world »

2005年10月27日 (木)

[書評]アルファブロガー alpha bloggers landscape

4798110205 アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから
FPN(フューチャー プランニング ネットワーク)
翔泳社  2005-10-21

by G-Tools

いま話題の「アルファブロガー」を読ませていただいた。

なんというか、11人の方のインタビューを読ませていただくことにより見えてくるブログ界隈共通の地平線というものがあるように感じた。たとえばそれは「ブログは、メディアリテラシーを高めるツールとして存在する」という側面だ。現代の複雑な社会において、既存メディアがなんらかの形で情報を偏光させていることに人々が気づき始め、漠然とした不信感が明確になってきているのではないだろうか?「大本営発表」から抜け出し、メディアからの情報を読み解き、自分に必要な情報を得るための「メディアリテラシー」の必要性が高まってきている状況が、ブログの価値を高めている。本書の中で、アルファブロガー達の何人かが「ゲート」という言葉を口にしているのはこの意味で正しい。

もうひとつは、ネットによって情報が安価になりあふれ出したことにより、大量の情報の渦の中で必要な情報が得ることが逆に困難になったという悩みがあるのかもしれない。アルファブロガーというのは、こうした情報の渦の中で自分と似た価値の軸を持ち、自分と似た情報の収集と分析を行ってくれるであろうという期待と信頼を得た人たちなのだと言えるのかもしれない。例えば、isologueの磯崎哲也さんのインタビューにものすごく共感を覚えた。多分、それほど違わない年代で、レベルは全く違うが商売をしながらネットとブログに係っているという共通点からなのかもしれない。私が、自分の仕事やブログについてかっこよく語る力があれば、磯崎さんのように語りたいと切に想った。もう攻殻機動隊にまで言及していらっしゃるし、「投げ銭100ポイント!」とかしてしまいそうだった。

本書を読んで、改めて私のような田舎者がアルファブロガーの方たちの何人かの方と直接お会できたり、相互認証というか、リンク、トラックバック、コメントを交換できたりしたというのも、今の時代のネットワークの進化の結果なのだと想った。ブログを読ませていただいていたり、お会いしたりしたことで、今回のインタビューも単に文字面だけでなくなんというか立体的に感じる部分が多くあった。ありがたいことだ。

例えば、アルファブロガー座談会で橋本大也さんに「身体改造系」という言葉を使って失笑をかってしまったのだが、「Passion for the Future」を初めとしてアルファブロガーの記事の傾向に、「自己の価値を高める手段としてのブログ」があると想う。昨年の無敵会議でハンサムなお顔を拝見した田口さんがご紹介されている、「すごい会議」、「getting things done」あるいは、ライフハックという考え方は私に非常にアピールした。ブログを頻繁に読んでいる世代はまだ成長途中で、自分をどんどん育てていくことに興味がある人たちなのだろう。

余談だ、最近、私のまわりで何人かの方が「学び続けることの大事さ」を口にされていた。なんといか、ブログ界隈でニュースや社会批評的な知識を加速度的に学んでいくのだけでなく、学習する方法すら進化させていくのだとすれば、本当にブログ界隈の人達とネットにアクセスしらしない人達とでは、人種が違うほど差が開いてしまうのではないだろうか?

これも「座談会」での会話だったと想うのだが、伊藤直也さんがおっしゃっていた「右脳プログラマー」という言葉が好きだ。アルファブロガーというのは、単に勉強家というだけでなく、ひらめきがある方たちなのだと想う。どうもこれまでブログを読ませていただいたり、直接にお話を伺ったり、インタビューを読ませていただいて感じるのは、「think like walking」というか、考えて考えて考え、論理に論理を積み重ねてブログの記事の核心的アイデアを得るというよりも、直感的に得ていらっしゃるように感じる。伊藤直也さんは確かシャワーをあびながら、アイデアが浮かぶとおっしゃっていたし、橋本大也さんはお散歩中に浮かぶとおっしゃっていた。私には神技的にすら見えるfinalventさんの記事は書き始めた瞬間に浮かぶのではないかと私は思っている(*1)。これは、また大量の情報の渦の中で生きていかなければならない現代の若い世代のこれからの生き方として示唆を与えてくれることなのではないだろうか?

最後になるが、本書の中のfinalventさんの言葉が直撃で胸につきささった。

この人は信頼できるなと思っていたブログが、選挙について沈黙することがあり、なーんだどんなに優れた人でも中立を装う旧メディアの真似事をしているだけなのか、という強い失望感が起こりました。

finalventさんが対象としてるのが誰なのかといことではなく、私には深く恥ずべき行為を行ったことが思い出された。実は先日の衆議院議員選挙でそれなりにブログで書くべきネタを得ていた。しかし、自分の身かわいさに一切口をつぐんだ。また大して効果はないと分かっていたのに、逆に自分の利害のからんだ情報を匿名で流した。自分のなさけなさにうんざりする。

なんというか、所詮同じ穴の狢にすぎない私が、メディアリテラシーの必要性を訴えるとか、大本営発表だと「旧メディア」を批判することは大笑いなのだ。

■注

*1 もし、また間違った推察をしていたらお許しください。私の勝手な思い込みかもしれません

■参照リンク
ブログの終わりじゃなくて、アルファブロガーの終わりでしょ(笑) by catfrogさん

|

« 中国と歴史とリンク The Great Gates of Kiev | トップページ | [書評]相対幻論 context on the network world »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [書評]アルファブロガー alpha bloggers landscape:

» アルファブロガー [土井英司のベストセラー情報局]
最近、知り合いが本を出しました。『アルファブロガー』というタイトルで、よく売れているようです。編集を担当したのは、翔泳社を代表する敏腕編集者で、マニアックかつこだわりの編集で定評のあるMさんです。かつてベストセラーとなった、FreeBSDの定番解説書も、Mさ...... [続きを読む]

受信: 2005年10月30日 (日) 22時35分

» ネットで読む「アルファブロガー」 [ニュースコミュニティ - FPN]
 書籍「アルファブロガー」は、アルファブロガー投票企画で選ばれた11人のブロガーの方に、FPNのスタッフが中心にインタビューを行って執筆した書籍です。  お陰さまで、様々な方にブログを通じて、書籍に関する書評や、コメント、感想をアップしていただいてい...... [続きを読む]

受信: 2005年11月19日 (土) 17時58分

« 中国と歴史とリンク The Great Gates of Kiev | トップページ | [書評]相対幻論 context on the network world »