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2006年1月25日 (水)

時間要素と企業会計 differentiation of accounting

すでに企業会計はコンピューターなしでは締められないくらいコンピューターに依存しているにも関わらず、まだ会計の分野においてまだコンピューター、ITの可能性を十分に取り込んでいないように思われる。すでに、かなりの規模の会社でも足したり引いたり仕訳したりというレベルの会計上の集計は、ほんの数分で終わってしまうところまでハードは進歩している。素人の私がいうのもなんだが、IT技術をすでにあるものとして会計に取り組むことを考えれば、たとえば時間軸にそった会計の区分方法を見直すことのメリットは大きいと思う。

あ、もしまったく間違ったことだったらぜひぜひぜひご指摘ください。

株、為替の取引などはそれこそ秒単位で発生しているにも関わらず、会計基準における時間の区分というのは、流動資産と固定資産、流動負債と固定負債くらいしかないように思われる。要は、1年より長いか短いかの基準でしかないわけだ。PLは一年間をまるめて累積してしまっているし、BSというのは期末の日の断面にすぎない。四半期の締め、あるいは最近では毎日の締めまで行っている企業もあると聞くが、経営判断を下す人間が見ているのは、せいぜい財務諸表レベルの勘定科目か、あるいはぐっと伝票に近い部分をまとめた帳票にすぎないだろう。全体像を見ながら、かつ時間的な要素を会計に入れ込む工夫ということは、ある意味未来会計といえるのかもしれない。

会計において発生する取引要素のひとつひとつに、論理的に次に発生する未来の取引の期限を振ることはいまのコンピューター技術ではまったく可能だと思われる。しかし、このひとつひとつの発生日という過去の時間だけでなく、売掛金の伝票であればいつ回収になるのか、棚卸資産であれば次の棚卸日はいつかあるいは製品出荷日はいつか、借入金であれば利払いの日、約定返済の日はいつか、という未来の日付を加えてやるだけで、会計の戦略的な活用の価値は非常に高まると思われる。

素人の私が未来会計などということを強調するのは、今日以降のいつの日付でも会社の清算価値を具体的に計算することができるようになるからだ。「会社成長の原理」という本を読んでから、会社の清算価値という指標こそ、この変動の激しい現代社会において経営者が一番気にしなければならない指標ではないかと信じている。

4478374953会社成長の原理
髙畑 省一郎
ダイヤモンド社 2005-07-01

by G-Tools

清算価値から取得原価価値への転換 @ IRnet

企業というのは、ほとんどの企業が実はゴーイング・コンサーンというか、走り続けることで存立しつづけることができている。自転車操業などではない、と胸を張って言える企業は日本にほんの少ししか存在しないだろう。うそだと思うのなら、上場企業の有価証券報告書を何社かとりよせてBSとCFを見比べて、何年で有利子負債を返済し終わるだけのキャッシュフローがあるかを計算してみればいい。長期といわれる1年以上の借り入れを返済するには、20年以上かかってしまうような状態に陥っている上場企業も少なくないことに気づいて愕然とすることは請け負える。繰り返すが、会社を経営していくうえで常に精算価値を算出できるということは、借り入れのリスク、必要な利益の水準を満たしているかを日々問われるわけで、この指標の経営者に対してもつ意味は大きい。

また、考えてみれば監査や有価証券報告書という形で分析した莫大な資料と比較すれば、伝票データというか、日記帳というか、原データそのものの方がコンパクトであることに気づく。伝票一枚一枚に時間要素が入っていれば、建築の構造の再計算と同様に信頼性を確認するために再集計を別ソフトで行ったり、下手な監査をするよりも四半期先くらいまでの未来のシミュレーションを明示的に行えるのではないだろうか?これは、証券取引法の報告などにも応用できないだろうか?いや、ま、妄想ですな。

ゴーイングコンサーン(継続企業の前提) @ 東証

■参照リンク
eXtensible Business Reporting Language (XBRL) via 山口浩さん
複雑系経済学のいま -金融工学との対比からみた複雑系経済学- by 塩沢由典さん

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