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2006年3月19日 (日)

[書評]高等学校 琉球・沖縄史 History as an Interaction Process

出張中にある方から現代の沖縄の建築技術の水準を考える上で米軍の存在は大きかったという話を聞いて沖縄の戦後史を勉強しなくてはいけないと思った。

4938984172高等学校琉球・沖縄史
新城 俊昭
地方・小出版流通センター 2001-03

by G-Tools

土産物を探しているうちに本書が目に入った。帰りの飛行機で、一番最後のBEGINの写真が載っている現代のページからスタートして、1万8千年前の港川人まで逆向きに読んだ。様々な情念と想いが交錯している沖縄の歴史を、門外漢もいいところの私がうんぬんすることは非常に危険だと改めて感じた。私にできるのは、せいぜい沖縄の歴史を通じて日本の歴史が理解するということだ。

これまで日本の現代史を理解すべく何冊かの本を読んできた。直接なぜいまの日本の姿になったのかを知りたかった。

[書評]歴史劇画大宰相 (HPO)
[書評]敗北を抱きしめて (HPO)
どついたれ by 手塚治虫
[書評]愛情はふる星のごとく (HPO)
[書評]大東亜戦争とスターリンの謀略 (HPO)
[書評]ワイルドスワン (HPO)
中国と歴史とリンク (「宋姉妹―中国を支配した華麗なる一族」) (HPO)

どれだけ本を読んでも、多くの要素が複雑に絡んでいる日本の現代史の「なぜ」がよく理解できなかった。本書を読んで、近現代史の諸要素が絡み合いながら沖縄の人々にどのように影響してきたかをまのあたりにし、人々の生き抜いていこうとする力が歴史という織物を編んでいるのだと感じた。

もう少し俯瞰してしまえば、交通手段と通信手段の発展による統治可能距離の拡大が大きな意味を持つのだと再度感じた。

距離、時間、そして統治と戦争 (HPO)

要はブログ界隈を適応度地形と考えれば、つながればつながるほど、他者からの影響を好むと好まざるとにかかわらず受けるようになるということだ。

「文字」という通信手段でつながれば、文字を作り維持している力に拘束される。船と航行技術という輸送手段でつながれば、交易、そして文明の文物の必要性という形で拘束される。貨幣のつながりは、経済圏に組み入れられることを意味する。航空機という輸送手段は武力を行使できる範囲をひろげ、そこに組み入れられるいうことを意味する。そして、現代の放送、通信、ネットは、生活の根幹のレベルから、つまりは欲望という根本から、より広い世界につながり、とりこまれる。そして、その代償として地域性という多様性を差し出すことを求められる。

もしこのように一般化して見ることが許されるなら、沖縄の歴史と日本の歴史は少なくともこの800年あまりは同時進行の相似形であるように私には思えてくる。

余談だが、今回の出張ではタクシーにお世話になった。ばりばり地元の方もいれば、20年前に沖縄に移り住んだという方もいらした。いろいろな話を聞かせていただいた。地元の様子はタクシーの運転手さんに聞けよくいわれるが、歴史は生活の集積であり、ごく普通に暮らしている方々の声が一番大事なような気がする。

■追記 翌日

多少撮ってきた写真を載せる。集落から3つの山の王の時代、そして統一王府への変遷と、統治の正統性を外部から権威を与える中国からの文化の影響を感じた。

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携帯で撮ったので、ぴんぼけで恥ずかしい。

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