「博士の愛した数式」から耐震偽装に至る6次のつながり My Broken Love to Mathematics and Physics
ま、変にここのところ毎日書いてしまっていてネタにつまったので、苦し紛れのタイトルと理解していただいてかまわない。
一応、リンクから先に書く
「博士の愛した数式」
↓
Danさんのブログの記事、「数式が愛した文学」
↓
第三回東京ブロガーカンファレンス
↓
HPOブログ = ひでき、こと私
↓
「時間の矢」
↓
「応答性能に基く耐震設計入門」
↓
e^iθ = cosθ + i sin θ : 局座標系の表現としての複素数*1
↓
「博士の愛した数式」
...
あ、耐震偽装そのものが入ってないじゃないか!という指摘があるかもしれませんが、分かる人だけ笑ってください。
前半のリンクは簡単だ。私はまだ「博士の愛した数式」は読んでいないが、Danさんは美しい記事でこの小説を取り上げられた。Danさんと私は、東京ブロガーカンフェランスでお会いしている。リンクまでいただけた。これだけだ。
後半はちとややこしい。私は、熱力学の不可逆性を、開放系・非線形科学の立場から分子レベルの力学的分析までさかのぼって説明した「時間の矢」という本を、知恵熱まで出しながら読んだ。この中で繰り返し出てくるラグランジュアン、ハミルトニアンという力学系の基本事項にすら理解に時間を要した。どれくらい苦労したか、そして、いまだに私がどれくらい理解できてないかは、以下のwikiを参照してほしい。
・http://wiki.fdiary.net/100books/?Time+Flies+Like+An+Arrow
そして、今日たまたま本屋で専門書をあさっていて手にした本が「応答性能に基く耐震設計入門」だった。これは多分建築の構造を扱った本としては奇書の類ではないだろうか?建築の構造を説明するのにラグランジェ、ハミルトンからはじめている。数式だけを眺めていると、かなり「時間の矢」に似ている。それでも、結論として出てくるのが最近ハウスメーカーさんが実用化した耐震ダンパーだというのがすごい。
この本の中で極座標系を説明するのに現れたのが、「e^iθ = cosθ + i sin θ」という式だ。この本の著者によると、自然対数、eの微分しても値の変わらないという定義から、運動している系の変移、r=a+ibと置けば、r=e^iθ、rの時間微分=速度=ie^it、rの二次の時間微分=加速度=-e^itの円軌道になるのだという(あー、全然なっちゃないっすね、私の理解...石丸辰治先生、ごめんなさい)。
Danさんがおっしゃっているように、この式から「博士の愛した数式」に出てくる「e^iπ + 1 = 0 」まではほんの半歩にすぎない。
と、いうことで、タイトルにつながる円環状のエッジができあがるということになる。つまらないネタでもうしわけないが、今日はこれまで!
博士の愛した数式 小川 洋子 新潮社 2005-11-26 by G-Tools |
時間の矢 コンピュータシミュレーション、カオス―なぜ世界は時間可逆ではないのか? ウィリアム・グラハム フーバー William Graham Hoover 志田 晃一郎 森北出版 2002-04 by G-Tools |
応答性能に基づく「対震設計」入門 石丸 辰治 彰国社 2004-03 by G-Tools |
■注
*1 こう書くときっとDanさんからお叱りが飛んでくるんだろうな...
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
物理は全くわからないし、オイラーの公式についても多くの人が云うほど感動的とは思っていないのですが、複素数と三角関数の関係とか示唆深いものだと思います。数学にはこういう不思議なことが次から次へと出てくる感じがして楽しいです。中でも複素解析は非常に美しい分野ですね。
投稿: night_in_tunisia | 2006年3月 8日 (水) 22時02分