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2006年3月12日 (日)

Web2.0時代の花粉症対策 Catastrophe and the Society

ウェブ2.0時代というのは、社会的なルールや課題をXMLのように標準化された記述方法で表現し、コンピューター側で理解可能な形にすることにより、高度にネットワーク化されたアプリケーションを使って、単にリアルのアナロジーで仕事をするのではなく、ネット界隈独自の利点を生かした独自の仕事の形態に移行することだと感じている。

具体的な形として、私にとって磯崎さんの想定された未来は非常に刺激的で視覚的であった。磯崎さんご自身はウェブ2.0とは一言も言っていらっしゃらないが、来るべき未来の姿であろうと信じる。

・オープンな法体系(SF小説風) by 磯崎哲也さん

こうした考え方から言えば、今後の政策決定などにおいて、法体系、契約体系の記述が標準化され、ネットワークに載せる事が可能となることがまず第1のポイントである。そして、政策、法律、環境の論理空間の中でのシミュレーションが大きな役割を担うことが第2のポイントとなるだろう。

こうした前提を確認した上で、前回の花粉対策の続きとして、ウェブ2.0的な対策とはなにかを考えたい。これは非常に重要な問題であり、政策決定の仕方が変化していく中では、優先的に扱われるべき問題であろう。まず、花粉症を杉と人との死闘であると定義づける。この定義に基き、パラメーターを図1に示したようにルール化した。

図1 パラメータの設定

cryptomeria01

つまり杉が増えれば、花粉が飛び窒息死する人が増えてしまう。一定の閾値を越えると窒息死がはじまるわけだが、人の側では窒息死が始まってもなかなか対策をとらず後追いになってしまう。仲間の死を見て危機に気づいた人は、総力をあげて杉を伐採しはじめる。窒息死と伐採とでどちらが早いかということになる。実際には、コストの問題、複合汚染の問題、危機感の広がりの問題など、複雑で多様な要素がからんでくるが、私のPCリテラシーでは自由度の想定はこれくらいが限度だ。

「杉と人の死闘シミュレーション」をダウンロード

図2 シミュレーション結果

cryptomeria02

ごく単純なシミュレーションなので、パラメーターを手動で動かしてみて、どれがどれくらいの影響を持つかを試してみた。面白いことに本のちょっとした初期条件の差で、杉が絶滅するか、人が絶滅するか、結果が大きく分かれる。例えば、杉の増加率を40%から60%まで変化させた結果を、表にしてみた。右側の欄は、10年後と20年後の杉と人との個体の数の比を表している。0%だと杉の絶命、「Div. by 0」だと人の絶滅を意味する。

表1 パラメーターの影響の官能性

杉の増加率 10年後の比率 20年後の比率
40% 1% 0%
41% 1% 0%
42% 2% 0%
43% 2% 0%
44% 3% 0%
45% 8% 0%
46% 11% 0%
47% 42% 0%
48% 49% 0%
49% 70% 0%
50% 81% 1%
51% 82% 1%
52% 100% 100%
53% 106% 208%
54% 109% 330%
55% 147% 33068%
56% 150% 68717%
57% 271% Div. By 0
58% 285% Div. By 0
59% 324% Div. By 0
60% 452% Div. By 0

これまでいくつかの抽象的なシミュレーションを組んで来たときも、ごく単純に要素を選んだ場合は、簡単にカオスというか、カタストロフィー曲線的なふるまいを見せることが多いようだ。これを社会的な事象は実はごくわずかなパラメーターの差で均衡を保っているのだととらえるのか、熱力学のように多くのカオスを内包する過程が相互作用しているので、全体として均衡を保てているのか、判断することは私の力を超える。

影響力を過大に評価したシミュレーションであるとはいえ、花粉症対策を怠れば人類の滅亡を引き起こしかねないという警鐘を鳴らすことができたと信じる。

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