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[本の紹介]建築の七燈


「建築の七燈」 
 ジョン・ラスキン 著

正直、この本について書く資格は私にはないように思います。現代の建築の状況を見たらきっとラスキンは卒倒するくらい、19世紀の建築の考え方と20世紀、21世紀の建築は変化してしまったのだと感じるためには、一読するのもよいかもしれません。

私の理解では、ジョン・ラスキンという人は、本書でその才能をいかんなく発揮しているように美術史家であり、経済学者であったということです。以前、ある人から依頼を受けてラスキンの古い経済とか、多分労働組合に関する「Unto This Last」という本を図書館でえらく苦労しながら探したことを思い出します。その頃は、ラスキンが建築に関する著作があるなんて知りもしませんでした。とにかく多才な人であったようです。

いま、建築にかかわる仕事をしていると、この19世紀にすら古典的であった様々な建築物について書かれた本を読むと、胸が非常にいたみます。ラスキンいわく、

「現代の建築家と建設業者はわずかな能力しか持ち合わせていない、しかもその最善を尽くさない。」
「建築とは、ここに示した(材料を真のものとはちがったものにみせること、表面に彩色を施すこと、機械による装飾など)虚偽の手段が避けられている度合いにしたがって、それだけ尊い建築であるということが出来るだろう。」
「一般的な建築や住宅は記念的な建築になって初めて本当に完成したものとなるのだ。」

もちろん、それぞれの時代に応じて建築物の持つ意味も違いますし、いまの時代に応じた合理的な建築を行うべきであるので、ラスキンの言葉がそのまま100%正しいということはもはやありません。しかし、建築が本当に生涯をかけて作るべきものであるという姿勢は学ぶべきではないでしょうか?また、建築が一代かぎりのものであるのでなく、家族の思い出が十分に染み込み、家系の歴史として伝えられるべきであるというラスキンの主張は、もう一度みなおされるべきだると思います。

ジョン・ラスキンの版画 (04年2月末まで版画展を日本でやっていたのですね。)
ジョン・ラスキンのショート解説 by 山形さん 

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