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「建築士制度の見直しの方向性」ってなに?

事態の進展の早さに、少々あせりながら記事を書いております。

いま、建設業界では、建築基準法の見直しに伴う、「建築士制度の見直し」で揺れています。ことのおこりは、6月26日に社会資本整備審議会基本制度部会でまとめられた文章が発表されたことから始まるのだと思います。

建築士制度の見直しの方向性について(素案) (PDF) @ 千葉県建築士会八千代支部 (ちなみに、私とこのサイトはまったく関係がありません。為念。

問題となっているのは、この辺だと思います。

一級建築士の受験資格は、四年制大学において建築に関して大臣が定める科目を修めて卒業した者とする。二級建築士からのステップアップルートは引き続き規定。

これまで、一級建築士を受験するには、認定を受けた学校を卒業するか、二級建築士になってから経験を積むという二通りの方法がありました。認定校の制度を見直ししようというのが、この文章の趣旨だと感じられます。私自身も文系の大学しか出ていないため、現在高校卒業までの学歴で2級建築士を受験し、資格を取得しました。この「ステップアップルート」は確保されるとはいえ、苦労して認定を受けた専門の学校を受験してきた方々への影響は非常に大きいと思います。なんというか、現在問題になっている建築士の倫理的な問題が出身の学校の種類によって分けられるとは私には到底思えません。

建築士法 @ 法庫 : 14条をご覧ください。

あと私としてはどうしても気になるのが、業界団体への加盟の誘導とか、資格維持のための講習会、試験制度の整備というあたりです。実は、別の資格を取ったのですが、その資格制度にといては「意味がないんじゃない?」と思うような講習に参加することを義務づけられていたりします。そして、その講習は当然ながらお墨付きをいただいている協会が実施することになっていて、お役所のお墨付きをもらったテキストを使うことになっています。これらの参加費用も、監修料もどのようなお金の動きになっているか疑問になり関係の方に聞いたことがあります。答えはとてもここでは書けません。

建築士の制度がこの別の資格の維持制度と似たものにならないことを祈るばかりです。どうせなら実効性の高い資格制度の創出を切に期待します。

■追記 平成18年7月18日

その後、業界の動きにお詳しい方にお聞きしたところ、今回の建築士の資格制度の見直しで挙げられている再教育制度などは、より直接に命を預かるお医者さんや、より将来に影響力を持つ教育関係の先生方の資格制度でまず行われるべきではないかという訴えが真剣に行われているのだそうです。

業界といっても権限が強化される団体と、そうでない個々人の部分とでかなり意見は違うようでもあります。

まだまだ目が離せません。

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