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地域の建設会社にとってのロングテールとは?

最近、「ロングテール」というパレートの法則をひっかりかえしたような現象が話題になっているようです。

これは、アマゾンやグーグルといったネットの企業が、商品アイテムを抱えるコストが一般の企業とくらべて桁違いに安いので、アイテム数をむやみと増やしたことによって生じた増収効果を指していると私は理解しています。最近、ウェブ2.0などといわれ、新しい企業のあり方が言われる中で、日経ビジネスのインタビューに登場するほどメジャーな言葉になってきているそうです。

とはいうものの、アマゾンやグーグルでもやはり売上の多くは上位のアイテムや取引先によって生み出されているという状況はかわりないようです。

パレートの法則 @ wikipedia

大小さまざまあっても、それぞれの規模に応じて最も自社の利益を最大化しようとするのは、当然だと思います。なんやかやいっても、ロングテールとは、企業の利益最大化の動きの中での動きにすぎません

もし、地域の建設会社にとって「ロングテール」という現象の意味を考えれば、私は当然「引き受ける」べきものだなと感じています。

随分以前に、自社の顧客リストを売上高順に並べてみて、上位10%ほどのお取引先さまで売上の90%近くを挙げている事実を発見したときは驚きました。では、上位10%のお取引さまだけを相手にしていればよいのでしょうか?残り90%のお客様を切り捨ててしまってよいのでしょうか?

私は違うと思っています。

地域で起こるさまざまな事象に対応する建設会社がまず必要だと思っています。水道管の破裂でも、自動火災報知器の故障でも、少子高齢化に対応した住宅の修繕でも、地域で必要とされる建設工事は結構あります。あるいは、地域が金太郎飴的なロードサイド店舗に埋めつくされ個性を失ってしまわないためにも、地域にいらっしゃるさまざまなお客様を大事にしていくことが地域の建設会社の使命であると改めて感じています。

それでも、独自の建設技術を持つこと、品質管理を常に高めていくことはとても大事なことです。これらは、得てして取り扱いの工種の数や工事件数とは矛盾しかねない事柄です。しかし、あえて維持コストが大変でもそれに正面から向かっていく、ロングテールをあえて抱きこむ地域の建設会社のあるべき姿だと信じています。

収益を拡大することは企業としてもちろんあたりまえのことですが、地域の建設会社の使命を忘れてしまってはならないと強く感じます。

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