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外装材の寿命って?

某所で「外装材の一般的な寿命の公式見解ってあるのか?」という議論になりました。調べてみたら、いくつかの論文が出てきました。まぁ、建築材料の寿命に公式見解ってのは難しいのは当然です。

取り急ぎインデックスだけ載せておきます。

それにしてもこの論文のインデックスってすばらしいですね。

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時間ができたので、続きを書きました。

PDF版には直接リンクできないようなので、PDF版へのリンクはしません。それぞれのリンクをクリックしていただき、ページ右上の「本文を読む・探す」の下のボックスからP「CiNii PDFCiNii PDF」というところをクリックするとみれるようです。

一番目の「各種構築物における内・外装の寿命」という記事は、昭和44年にかかれたにもかかわらず、いわゆるディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)、現在価値の手法を用いて部材の価値を計ろうとするアプローチについて解説しています。

本論文では、タイルは躯体がW(木造)又はS(鉄骨造)か、RC(鉄筋コンクリート)かで大きく違うと想定していらっしゃいます。昭和44年以降の建築材料などの進歩を考えると、この辺はかなり違ってくるかもしれませんが、やはりRC+タイルというのは耐久性の高い外装仕上げであると言えると思います。



2番目の論文では、ゼネコンや設計事務所やメーカーにヒアリングを行い、耐久性についてどのような見解を持っているかを調べていらっしゃいます。こちらもタイルに軍配をあげているように思えます。

以上の結果をまとめると、高いグレードの場合は、石・タイルを用いた外装材については50年以上と考えられていることが多く、その他の材では概ね10~20年を中心(一般的なグレードの場合は5~10年が中心)とした分布になっている事が分かった。しかし全体的にみると、耐用性に対する対する統一した認識はないと言え、担当者によって独自の判断がなされている現状が確認できた。

この「高いグレード」のところが問題で、ここには仕上げの方式や材料のグレードを考慮しなければならないという意味なのでしょう。もっともタイル自体にはJIS基準があるので、あまり耐久性に関してばらつきはすくないかもしれません。

竣工後、やはり50年も経過した後を考えると、躯体のメンテナンスや目地のメンテナンスが必要となってくる可能性はあります。コンクリートの補修についてはまたよく勉強して書きますが、最近はかなり新しくコンクリート補修の工法が開発されているようです。

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