« 外装材の寿命って? | トップページ | 改正建築基準法施工後の建築とは? »

適合性判定の対象はどう決められているのか?

改正建築基準法でどうも鉄骨造の建物の建築確認が厳しいな、6月20日以前にここまで厳しくなるって聞いてなかったよな、いったいいつどうやって適合性判定行きの条件が決まったのかな、と思い調べてみました。

正直、6月20日以前に建築基準法だけは読んでいました。建築基準法だけを読むと、どのような構造体が適合性判定の対象になるかは、改正建築基準法の第20条に書かれていることがわかります。

第二十条  建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。

 高さが六十メートルを超える建築物 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合において、そ の構造方法は、荷重及び外力によつて建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算によつて安全性が 確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。

 高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号に掲げる建築物(高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるものに限 る。)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が四以上である鉄骨造の建築物、高さが二十メートルを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンク リート造の建築物その他これらの建築物に準ずるものとして政令で定める建築物に限る。) 次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。
  当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。この場合において、その構造方法は、地震力によつて建築物の地上部分の 各階に生ずる水平方向の変形を把握することその他の政令で定める基準に従つた構造計算で、国土交通大臣が定めた方法によるもの又は国土交通大臣の認定を受 けたプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有すること。
 前号に定める基準に適合すること。
 (以下略)

(強調は本ブログ)
なかなかわかりずらいと思いますが、建築基準法自体としてはどのような建物が対象になるのかはこの条文で間違いないようです。強調した2号のところで「階数が4以上の建物」として「政令で定める」というところがポイントです。ここまででは、例えば鉄骨造で「スパン6m以上」が適合性判定行きとは書いてありません。

20条に「政令で定める」と書かれた「政令」は、建築基準法施行令第36条の2なのだそうです。

第三十六条の二  法第二十条第二号 の政令で定める建築物は、次に掲げる建築物とする。
 地階を除く階数が四以上である組積造又は補強コンクリートブロック造の建築物
 地階を除く階数が三以下である鉄骨造の建築物であつて、高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるもの
 鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する建築物であつて、高さが二十メートルを超えるもの
 木造、組積造、補強コンクリートブロック造若しくは鉄骨造のうち二以上の構造を併用する建築物又はこれらの構造のうち一以上の構造と鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する建築物であつて、次のイ又はロのいずれかに該当するもの
 地階を除く階数が四以上である建築物
 高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超える建築物
 前各号に掲げるもののほか、その安全性を確かめるために地震力によつて地上部分の各階に生ずる水平方向の変形を把握することが必要であるものとして、構造又は規模を限つて国土交通大臣が指定する建築物

(強調は本ブログ)

@ 法令データ提供システム 「施行令」
強調文字にした「三以下である鉄骨造の建築物」の内容は、いろいろ教えていただき、平成19年5月18日付けの告示539号に定めてあることがわかりました。
同じ日付の告示について解説してくださっているページを見つけました。

「建築基準法施行令第36条の2第5号」とは「建築基準法第20条の第2号に定める建築物」を定義しているものです。その「建築基準法第20条の第2号に 定める建築物」とは、ようするに「ルート 2 あるいは 3 の建物」なんですが、一体なぜそんなことが改めて問題にされるのかというと、改正建築基準法では、それに該当する建物の審査は「適合性判定機関」が行うこ とになっているからです。

@ 続々・建築基準法はどう変わったのか (株式会社ストラクチャーさん)


解説を読んでもまだ難しいですね。

法20条から告示593号への流れを説明してくださっているページも見つけました。

木造住宅でも、一階を鉄骨造やRC造にすることはよくある。そういった混構造建築物のうち、適合性判定を要しない建築物が上記593号の3号と4号に規定された。その条文がともかく難解。

@ 6/20建築基準法の大改悪 (iplusi.exblog.jpさん)

また、ある方から非常にわかりやすい適合性判定の対象建築物の条件の表を教えていただきました。大分県さんのサイトにあるようです。

それでも、直感的に平屋の鉄骨造6mスパンで適合性判定行きというのは厳しいと感じてしまいます。

あ、それでこうなるのか!

そういえば、実物大の振動試験のできるE-ディフェンスで鉄骨造の建物の振動試験をいていました。

    加震ケース(入力地震動)

    9月25日 1995年兵庫県南部地震 JR鷹取観測波 40% (20070925.wmv)
    9月27日 1995年兵庫県南部地震 JR鷹取観測波 100% (20070927.wmv)


見事に「全体崩壊」してますが、現行の、ということは改正建築基準法の基準を満たした鉄骨造なのだそうです。見てみると、まさに6mスパンの中低層建物です。

構造計算をいくら積み重ねても、実際の実験結果をこれだけビデオで見せられると確かに適合性判定の対象となる建物は建築確認に適合している上でも慎重に扱う必要があるのだなと感じます。
 

|

« 外装材の寿命って? | トップページ | 改正建築基準法施工後の建築とは? »

「建築技術」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
建築の勉強をしているものです。
ネットで調べていたらこちらのサイトをみつけました。
詳しく掲載しているのでとても勉強になります。
これからもときどき伺わせていただきます。

投稿: | 2008.09.12 11:43 午前

亀レスになってしまいました。

コメントありがとうございます。

私も日々勉強です。いろいろご指導ください。

投稿: ひでき | 2008.09.14 11:07 午後

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/14173/40182231

この記事へのトラックバック一覧です: 適合性判定の対象はどう決められているのか?:

« 外装材の寿命って? | トップページ | 改正建築基準法施工後の建築とは? »